第7話〜あの時の…!?〜
今回ちょっと真面目過ぎたのでこの後もう一個投稿されます
それではどうぞ!
「ここが……Vプロジェクション…」
大小様々なVTuberが所属する最大手の事務所は東京の新宿に存在した。にしても雰囲気が凄い。
馬鹿な発言になるが本当にそれっぽい。雰囲気がとてもそれっぽいのだ。…自分で言ってて馬鹿だとは思う。
「ま、前でウロウロしてても仕方ないしな。…すみません、本日面接の予定で来たんですけど」
「もしかして、独野ウルフ様でしょうか?」
「はい、そうです。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
そう言って誰かに連絡を取り始めた。…きっと迎えの人か何かが来てくれるのだろうと思い椅子に座って待つ。
「…独野ウルフくん、でしょうか?」
「え?ああ、はい。独野ウルフです」
「それではこちらへどうぞ。部屋まで案内します」
そう言われたのでついて行くと1つの部屋に案内された。どうやらもう少しで担当のものが来るから、くつろいで待ってて欲しいとの事。
待つのはともかくくつろぐのはできないんだけど…なんて思ってたら案外早くにドアがノックされた。良かった、一安心。
「どうぞ」
「失礼します。本日お話させていただくボタンの担当マネージャーの島海と申します。」
「独野ウルフと言います。よろしくお願いします」
「ボタンは道が混んでいて少し遅れるそうなので、先にこの事務所について…と言うより、事務所に入るメリットとか、事務所はどんなことをしているかについて説明したいと思います。」
「と言っても、そこまで複雑なものはありません。まず、この事務所に所属しているVTuberには担当マネージャーが1人つきます。もしLIVEや動画で何か悩みがあった時、マネージャーに相談すればマネージャーも一緒に解決のために考えてくれます。」
「なるほど…」
「その他にも、事務所のイベント事や他事務所に所属している方との日程調整もマネージャーが担当します。と言っても、当人同士でスケジュールを決めたりもするのでこの辺は曖昧な部分もありますが。あと、何か事務所に不服がある場合はマネージャーに言えばマネージャーは何かしらで動いてくれます」
「なるほどなるほど。」
「ただ、SNSでの発信…ウルフさんはつぶやっかーをされていますが、基本はマネージャーにOKを取ってからつぶやいて…という形になってます。LIVEが終わった直後のありがとう!明日はこの時間に配信だよ〜ぐらいの内容でしたら特に問題は無いんですけど」
まあ、それはそうだろう。事務所に所属しているVTuberがなんでも自由につぶやけるとは思わないし。
その後も、税理士による確定申告の補助やらなんやら、色々やりますというのを聞かせてもらった。さすがは事務所、しっかりしてるねぇ…
「…と、だいたいこんな感じですが質問はありますか?」
「うーん…事務所に決められた人とコラボするとか、あります?事務所にこの人とこの時間からコラボねって決められるみたいな。」
自分のやりたくもないことをやらされるのはね。やらなきゃ行けないことはともかく、そういうのは本気で楽しめない。こちらが本気で楽しめないのに見てる人が楽しめるわけがないからな。
「一切ありません。事務所がそうして決めることはないので、ご安心ください。他の事務所の方とコラボするのも特にダメとかはないですし。」
案件とかも全て自分の意思で決めれますよ、との事。ふむ、その辺は安心か。良かった。
「む、電話が来てしまいました。少々お待ち下さい。…はい、もしもし。……なるほど、わかりました。ではそのまま来てください。場所はわかりますか?…そうですそうです、では。」
「すみません、おまたせして。どうやらボタンの方が到着したようです。」
む、遂にか。…………遂になのか。
「緊張しますか?」
「それはもちろん。何せ1番好きなVTuberですから。」
「失礼しま〜す。ごめんなさい、お待たせしました!あ、初めまして!蒼花ボタンです!」
「あ、初めまして!独野ウルフと申し…ま!?」
俺は最後まで言い切ることが出来なかった。…何故かって?そこに居たのは……
なんと、あの日…俺がVTuberになろうと思ったあの日、話を聞いてくれたあの人だったのだ。
それではまた次のお話であいましょ〜




