第63話〜地獄に〜
遅くなりやしたすみません〜!話の展開上ほんわかな雰囲気では無いですが長くはないので許してくださいなんでも…
それではどうぞ!
「それじゃ行ってきます」
「行ってらっしゃい〜」
あまり気は進まないが仕方ない。授業受ける訳じゃなく純粋に話だけ聞いてくる形だし大丈夫…なはずだ。
はあ…帰り、何買って帰ろうかな。いやそもそも海莉が迎えに来るんだった。
迎えに来るって何で?車持ってないよね…?まいいか。
学校についた。…時間的にまだ生徒は授業を受けている感じかな?まあ、これなら鉢合わせしなくて済むだろう。
校門を通って職員室の方へ向かう。職員室で声をかけると校長室に通された。……何気に初めてだな校長室は。
少し待っていてくれと言われたので待ってみる。だいたい5分ぐらいしてから電話をかけてきた先生と……他の大人が3人入ってきた。計4人か?これまた凄い大人数だな。
「ああ、立たなくていいよ。座っていてくれ。」
「はあ…わかりました。」
一応立とうと思ったのだが座ってていいらしいので遠慮なく座る。立ってるの疲れるしね。
「…さて、今日君に来てもらった理由なのだが…君、どうやら転校するらしいね?」
「え?ああ、はい。しますね」
理由も説明したはずだ。まさか、今更転校をやめろって話なのか?
「話が早いな。そうだ、出来れば転校をやめて欲しい。」
「…理由を聞いても?」
一体どんな理由で転校をやめろって言ってきてるのか。それ次第だよなぁ。
「せっかくもうすぐ卒業なのだ!勿体ないと思わないかね?」
まあもうすぐ卒業なのにと思った時はあったが…普通に考えて、他の生徒や教師と関わらなくて済むんだから転校した方がメリットは大きいよなと考えている。
「それにだ、これから卒業に向けて色々なイベントがある。クラスのみんなや我々教師は君とそのイベントをやりたいと思っているんだ」
……こいつ何言ってんだ?クラスのみんなが待っている?んなわけあるか。嘘をつくにしてももうちょいましな嘘を……
…待てよ?なんでこんなに必死なんだ?喋っているのは1人だが全員必死な目をしている。
不思議に思い聞いてみた所、何とも自分勝手な理由から俺をとめたかったらしい。
何でも、俺に対する行動や言動が問題だった生徒のことを知りながら放置していたり、それに便乗していたということで教師側が処分を下されたらしい。
ほぼ全員が減給処分で、中でもここの4人は今年度が終わったら校長と教頭は降格して他の所に移動、そのほかの人たちは免許剥奪だそうだ。つまり無職になるのか?(ちなみに剥奪される人達は実名公表で剥奪らしい。暫くは免許が取り直せないようにという措置らしい。なるほどな)
…というか、今更って感じだな。1年の時になるのならともかくもう卒業ですよっていうこの時期になるのか。
そこで、俺に誠意謝罪して俺が許し、転校しなくなれば免許の剥奪や降格等は考えてやろうと言われたらしくこうなっていると。
つまりは自分が助かりたいからなわけで、そこに俺に申し訳ないからという理由は一切無い。
まだ俺が申し訳ないからとちゃんと謝ってくれたのであれば心が揺らいだかも…いやないな。多分ない。
みんなに聞きたい、こんな人たちを許せますかと。俺は無理だ、何とも心の狭いことかもしれないが地獄に落ちろと思ってしまう。口には出さないが。
「じゃ、そういうことなんで。来て損した気分…」
そう言って立ち上がり、帰ろうとする。実はこっそり海莉に連絡入れてあるんだよな。もうついてるらしい。早過ぎないかな…
「ま、待ってくれ!なんとか!なんとか…!」
「今更何を。俺がどれだけ……どれだけ、地獄を見てきたと?この期に及んで自分のことしか考えていないあんたらにかける情けは何も無いよ。自分達が恨まれていないとでも?…大人しく地獄に落ちろ。」
最後に、奥の空いている扉を見てから、部屋を出る。
……地獄に落ちろって口にしちゃったな。まいいか。
はあ、まじで来て損した。…あ、海莉がいる。…ん?あれって生徒会長か?
学校で何か大きな問題が起こった時、決まって大人の力で被害者側が泣き目を見ますよね…こういった大人たちばかりだからなんでしょうね。
それではまた次のお話であいましょう




