第43話〜交渉〜
それではどうぞ
「仕事?企業案件ってことですか?」
「そうですね、簡単に言えばそうなるでしょうか。」
ふむ…。いや、まあ企業案件来るかもしれないですね〜とは聞いてたから来ること自体は予想外では無いんだけど…
「事務所に関しては問題ありません。断らないと思いますよ?」
確信をもってそう告げてくる。ちらっと海莉の方を見ると海莉も頷いた。なるほど…
「内容を先に教えてもらう事って出来ませんか?」
自分にできない事だったら受けちゃ駄目だと思う。ので先に聞いておく。
「もちろんです。内容は簡単で、我が社が開発したゲームを先行プレイして頂きたいのです。」
なるほどゲーム会社だったのか。
「正確にはゲーム会社以外にもいくつかあるのですけどね。普通の投稿者なら、そっちの方もお任せしたのですが…」
「Vだもんね、私達。実写動画は難しいよね…」
カラオケ配信が受け入れられてるなら別に実写でも行けるんじゃね…?と思わないでもないが、そもそも普段の自分を見せたくなかったりする人がやってるから実写は無いんだろう。
「そうなのです。本当海莉、今からでもやってくれませんか…。あなた、見た目は良いのですし」
「やだよ。それにVだったから優成くんと会えたんだし?」
「それはそうでしたね。…話を戻しましょう。ゲーム自体はスマホゲームですので開発端末とそのゲームの詳細をお送り致します。スマホゲームなだけあってそこまで難しく無いですので難易度は大丈夫かと」
「なるほどなるほど」
「そして報酬面ですが…」
そう言って金額が書かれた紙を見せてくる。…なになに、40万……って、まじ??
「まじです。下に書いてあるように、もしこのゲームが正式リリースされて人気がでれば次回もお願いしたいと思っています。」
なるほど。ふむ。…40万という金額に釣られる訳じゃないが、やってもいいかなという気にはなっている。
「どうでしょう?お受けしていただけますか?」
「…その前に一つだけ。何故私を?」
そこそこの人気が必要というのはわかる。勢いもあった方がいいと言うのもわかる。ただそれを差し引いても俺は新米だ。かなりの。他にいい人がいるんじゃ?と思わないでもない。
「私があなたにやって欲しいと思ったから、ですかね。」
ファンなので、私…と言う宮島さん。嘘はついてなさそう。…なるほど。
「分かりました。やってみます」
海莉の知り合いだからっていうのもあるのはあるけどね。新作ゲームらしいし、面白そうだし。
「ありがとうございます。では、こちらの書類とこのスマホが開発端末になりますので。」
用意のいい事で…断らないのがわかってたのか、あるいは断ったとしても説得しきる自信があるのかどっちかなのかな。
「おめでとう優成くん。私も色々準備してたのに無駄になっちゃった」
「なるほど。という事は断っても海莉と宮島さんからのダブルパンチだったわけですか…」
「交渉は始まる前から結果が8割決まっていますから。受けて頂くために色々と考えます。とは言え、ファンなのは本当ですよ?」
「なるほど、とても勉強になります。」
なぜか今後役に立ちそうだなその知識、と思ったので記憶しておくことにする。ファンなのは本当らしい。ありがたい。
「さて、堅苦しい話はここまでにして。楽しいことをしましょう?」
実際に企業案件がどんな感じで話来るのかは知らないので想像でしかありませんがどんな感じなんでしょうね?
それではまた次のお話であいましょ〜




