第401話〜濡れる濡れる〜
それではどうぞ
「〜♩」
愉快な音楽が流れ始めたと思ったら、イルカの上に人が乗ってやってきた。ショーが始まったのだろう。
…にしてもあの人凄いな。イルカって上に乗れるんだ?落とされないのかな。
それにめっちゃ笑顔で手振ってるけどあの女の人。バランス感覚凄いな、落ちないのかな?
イルカの機嫌が悪ければ直ぐにでも落とされそうなものなのに…
その辺は長いこと付き合って信頼度を高めてるのかな?
と、色々考えているとイルカ達がゆっくりと回り始める。お客さんの前辺りまでやってきた辺りで挨拶と言わんばかりに水を掛けてくる。
「きゃっ!」
「おお冷たっ」
まだ序盤も序盤なのに水かかったぞ。幸いにして俺たちの位置はあまり濡れなかったがイルカの目の前にいた人達は今のでかなり濡れてしまったようだ。
この先こんな感じで濡れるんならそりゃ「濡れます!」って注意書きもあるわなぁ。むしろ無い方が不自然だ。カッパとか売ってたし…
とは言えまだまだパフォーマンスは続きそうだし、他にどんなことをしてくれるのか楽しみだ。
……お、本格的に始まったな。さてさてどれだけ濡れるのやら。ずぶ濡れだけは勘弁して欲しいとこだ。
「濡れたーっ!」
「濡れたねぇ」
ショーが終わって退散の時間……なのだが。案の定普通に濡れてしまった。
一応、カッパを着用していたのだがそんなものお構い無しに濡れてしまった。大分守ってはくれたが。
まぁずぶ濡れって程濡れた訳では無いから何とかなるが……
かなり勢いよく来るんだなイルカって。というか色々芸を仕込みすぎだろ。
空中で一回転とか顔だけ出して走るのとか結構面白かったし、イルカと一緒にでてきた女の人も何気にパフォーマンスが凄かったし。イルカって凄いんだね。
濡れはしたがそれは覚悟の上、楽しかったし見てよかった。
さて、これからどうしようか。ご飯を食べるか、もう少し見て回るかだが……
「この後まだショーあるって。イルカとは別だけど」
「ほう?……それまでは適当に見て回るか」
せっかくだから見れるものは全部見て帰りたいしな。次は…セイウチ?セイウチで何するんだろう、ボール遊びとかなのかな?
ともあれせっかくだから見て回りたいよね、時間の許す限り全部。
今度の配信のお土産話にもなるし。意外とこういう旅行行ったよ〜みたいな話は好評なんだよな。
旅行中の面白い話とかお土産に買ってきたものとか、意外とくだらない話でも皆笑ってくれたりするから話したくなっちゃうよね。
その後差程時間を開けずに次のショーを見る事が出来たためご飯に移動する。
ちなみにご飯だが、お寿司……は流石に置いてなかったためカレーとなった。
流石に水族館でお刺身とかお寿司とか置かないよな、うん。
食べ終わったあとは可愛いぬいぐるみを幾つか購入して水族館を後にする。
少し乾いてきたとは言え濡れてるからな……なるべく早く着替えたいのもあってこの後は直ぐに温泉に直行する。
温泉だけでなくちょっとした場所……にも寄ることになったが、それはそれ。
観光をしっかりと楽しんでそのまま2日目が終了する。…残すは明日か〜、帰るのが残念なような楽しみなような不思議な感じだな。
それではまた次のお話で会いましょ〜




