第40話〜カラオケコラボ2〜
それでは〜どうぞ
「ちょっと休憩タイムだね」
2時間ほど歌った俺達は少し休憩することにした。ちょっとお腹も減ってるしな。
腹ごしらえも兼ねているのです。カラオケのご飯って意外と美味しいんだな、食べた事がなかった。…そもそもあんまり来たことも無いわけですが。
「美味し〜。流石ご飯が美味しいと話題になるだけはあるね」
「話題になってたのか…知らなかった。」
「カラオケ来たことなさそうだもんね。…それで歌が上手いって反則だと思うけど」
「そりゃ、私の推しは歌が上手いから。いいお手本になるよな。」
「褒めても何も出ないよ?」
なにか貰おうと思って褒めてるわけじゃない。そう思ってるから言ってるだけなのだ。嬉しそうな顔を見れただけで充分。
【コメント欄】
・いちゃいちゃすな
・いちゃつくな
・リア充か?
・爆発しろ
何故かコメント欄がおかしな方向に行ってるが決してそんな関係ではない。
「そんな関係じゃないから…。邪推するなみんな、ボタンさんに迷惑がかかるだろう」
ちゃんと否定しておかないと困る事になりそうだったので否定しておく。
「まだそんな関係じゃないよみんな。そんな事考えるより歌って欲しい曲のリクエスト教えて?」
まだっていう部分が若干引っかかったが、話の逸らし方がうまい。俺の方も歌えそうなやつがあったら歌うからと募集してみる。
瞬く間に曲の候補が流れていく。…ふむふむ、これとこれは歌えるな。これは…ちょっと難しいかも。
「ねーウルフくん、これ良さそうじゃない?」
「…?ああ、なるほどたしかに。」
提案してきたのはデュエット?の曲だ。2人で歌うことをデュエットとか言うらしい。
歌うところを予めきめなくていいのか?と思ったがちゃんと男性パート女性パート別れていて、ひと目でわかるらしい。昨日教えてもらった。
「さてご馳走様でした。…歌おうかな」
「ん、早いね。私まだ食べてていい?」
もちろんと返して、歌い出す。ちょっと早めに食べたのはご飯食べてばっかだと見てる人が退屈かなと思ったのだ。
「ウルフくんが歌ってる時になんだけど、この後私が食べ終わったら2人で歌うからね。みんな楽しみにしてて」
【コメント欄】
・うおおおー!
・待ってた
・この日のために生きてた
「足引っ張らないようにしないと行けないのがちょっと緊張するよね。」
「こっちのセリフなんだけど、それ…」
どう考えても歌上手いのはそっちなのに。俺の方がプレッシャーだわ。
「ご馳走様でしたっと。はい、歌うよ。頑張ってねウルフくん?」
からかいやがって…でも普通に楽しそうなんだよな。
足引っ張らないように頑張りますかね。ついてくので精一杯だと思うけど。
その後1時間30分ぐらいずっと2人で歌っていたが、どれもこれもリスナーのみんなにいい反応をしてもらえた。
特に恋愛ソング?と言われるものは爆発的な盛り上がりだった。なにせスパチャが鬼のように流れてきたんだもの。中には赤スパと呼ばれる1万を超える額が来た。
……そこまでしなくても興奮してくれたのは伝わるんだけどね。お金を大事にして欲しいと言ったら推しは推せる時に推す、貢げる時に貢ぐのだ!と帰ってきた。
物凄く理解してしまったのでそれ以上は何も言えない。
「ふ〜楽しかったね」
「そうだな。そろそろ時間だし終わるか」
そう言って両方配信を終了する。
「楽しかったね、優成くん。」
「うん。…でも、楽しみにしてたのはここからだから」
「それは私もだよ〜。…ね、もっとちゃんと聞かせて?」
海莉にそう言われちゃ仕方ない。マイクをとって、歌い出した。
次はもうちょっといちゃつかせ無いとダメかもしれない。
それではまた次のお話であいましょ〜




