第39話〜歌!コラボ!〜
それではどうぞ!
「おお、広い…」
「2人にしては広いよね〜。さ、準備しちゃお!」
カラオケに来た。告知してからSNSのトレンドに入るレベルで盛り上がってるコラボだが、今になって緊張してる。
後、リアルで会うの!?というコメントをいくつも貰ったけどそうだよな。あまりにも海莉と過ごすのが普通になってたから気が付かなかったけどそうなんだよな。
「準備、できたよ〜」
「こっちも出来た。…やる?」
「うん。やろうやろう。」
配信を始める。…待機してた人もかなりいたようで始めた瞬間から人数が多い。それから既にテンションが高い。
「お〜、盛り上がってるねぇ。」
「こんにちはこんにちは!生だよ!」
「生だよはなんか嫌だな……」
何がとは言うまい。
「ど〜する?最初は交互に歌ってく?」
「そうだね。交互に歌って行って、最後らへんに一緒にでいいんじゃない?」
「デュエットね。よーしそうしよう。最初は上げます!名誉でしょ?」
「名誉かどうかはともかく貰いますね。」
最初は…この曲がいいだろう。よし。
曲が流れ出し、歌い出す。
「おお、やっぱり上手いよねみんな。」
【コメント欄】
・上手い
・高音と低音が綺麗
・この歌声好き
「うんうん。わかるわかる。私もウルフくんの歌声好きだもん。生で聴くとやっぱり違うね!」
【コメント欄】
・生ウルフうらやま
・生ボタンもうらやまでは
・いいな〜2人と会いたい
「んふふ〜、いいでしょ?結構かっこいいよウルフくん。ゲームしてる時とは違って」
「ゲームしてる時がかっこよくないかのような言い方だなぁ…」
「あ、お疲れ様!やっぱ上手いじゃん!」
「そりゃどうも。次はボタンの番ですよっと」
自分の前にあるマイクを手に取り、よ〜し歌うぞ〜と意気込んでいるボタンから配信画面へと視線を戻す。
【コメント欄】
・上手かったぞ
・相変わらず上手い
・ボタンちゃんと仲良くなってる…?
「ありがとうみんな。…有難いことに仲良くさせて頂いてるよ。お、始まる」
〜と歌声が流れる。……生でボタンの歌声を聴ける日がまさかあるとは思わんかったが、いや凄い。
画面越しに聴いているだけでも凄まじいのだ。生の迫力はやはり違う。それから綺麗だ。
歌声もだけど、歌ってる姿も。恥ずかしいから言えないけど。
【コメント欄】
・声漏れてますよ〜
・内緒にしといてあげる
・内緒だぞ!誰も言うなよ!絶対だからな!
「そこ、フラグ立てない。」
「…?何の話?」
「こっちの話。やっぱりボタンの歌は上手いね」
「そう?…って、目がキラキラしてる。ありがとね」
よし、次は俺の番。
さ〜て歌うぞ〜!頑張るぞ〜!
「へ〜、ウルフくんそんなこと言ってたんだ!直接言ってくれてもいいのにね」
速攻でバラシやがって…………
カラオケに行ったら必ず国歌斉唱から始める人、たまに居ますよね。
それではまた次のお話であいましょ〜




