第377話〜BBQと闇〜
それではどうぞ
BBQが始まってすぐ。まずはこの間の夏祭りの話で盛り上がっていた。
特に今1番びっくりしたのは…
「え?来てたのメルちゃんだったの!?」
かりんさんが夏祭りで一緒に来てた友達、どうやらメルさんだったらしい。
せっかくなら言ってくれればよかったのに。
「私も知り合いと会ってたからね、そっちに行く時間作れなかったの」
確かに俺達はもう帰ろうかって話してたぐらいだもんな…
「無理に待たせるのも申し訳ないですからね」
「予定あるかもしれないし、疲れてるだろうしね」
かりんさんとメルさんがそう話す。…ちょっとぐらいなら待ったけど流石に30分かかるってなると厳しかったし、どの道あの場じゃ無理だったかな。
まぁ今日の楽しみになったって事にしておこうかね。
「そゆことそゆこと。」
「…ところで、メルちゃんはなんて呼べばいいの?」
確かに、メルって名前の日本人は中々居ないだろうしそのまま呼んでたら不自然だよな。
そもそもVネームで呼ぶこと自体良くないが。…ファンが聞いてたらリアルバレする可能性も普通に有り得るからな。危険すぎる。
1部本名をVネームに使用した人達も居ますけども……それはまぁ置いておいて。
「あー、自己紹介してなかったね。清峰陽菜って言います、よろしくね」
俺達も順々に自己紹介を返していく。俺達もしてない事をすっかり忘れてた。
「陽菜ちゃんだ!」
「陽菜ですよ〜」
うむ、実に心暖まる光景だ。…とりあえず大也くんは体燃える前に食べる方に回りなさい。
「すまん、そうする。…そろそろ食欲が限界」
「でしょうね。」
お腹の音凄いなってたもんね…あとはやっとくよ。あらかた作ってくれたから楽になったし。
「変わるよ?」
「大丈夫大丈夫」
焼きながら食えるし…そうわざわざあーんせんでも。嬉しいから食べるけど。美味しいし。
買い込んでた食材も美味しいものが多いが、かりんさんが持ってきてくれた海鮮類等はかなり美味しい。
わざわざ有難うねかりんさん。
「どういたしまして。喜んでくれたなら良かったですわ」
今回の場所の手配までしてくれてるしかりんさんには頭が上がらないよ。
「知り合いに頼んだだけですわ。」
コネってやつかね。知り合い多そうだもんな、苦労もしてそうだけど。
「本当さっさと家を出たいですわ…」
そう言ってるかりんさんの目は光を失っていた。……かなり深い闇を抱えてるんだろうな。元気だしてくれ。
「私も一人暮らしはしたいんだよねー…配信しやすいから」
「分かるなーその気持ち。」
一人暮らしじゃないと家族がいる分どうしてもやりにくいもんな。気持ちはよくわかる。
「でもセキュリティとか配信の事とか考えると中々いい物件が無くて…」
物件探しで苦労するのはどのVTuberも一緒だな。人気であればあるほどセキュリティとかは気にするし妥協出来ないから見つからないのはしゃーないんだけど。
その後もしばらくは家の話からVTuberあるあるの裏話で人しきり盛り上がる俺達。
中には衝撃的な情報もあったりしたけど。裏であの人とこの人はできてるとか、あの人がやばいとか…
ともあれそんな話で盛り上がり、気が付くと既に夜頃になっていた。
それではまた次のお話で会いましょ〜




