第375話〜祭り終了〜
それではどうぞ
花火を見終わった帰り際、大也くん六花さんと合流した俺達。
今は目的だった花火も見終わったしそろそろ帰ろうか?と言う感じだ。
とはいえかりんさんに挨拶せずに帰ってしまうのは少し寂しいからな、出来れば挨拶してから帰りたい所ではある。
まぁわざわざ探してまでするか?って話でもあるから会えなかったらそれはそれで帰るつもりでもあるけど。
「わたあめあるよ、わたあめ!」
「買ってくか」
ついでに隣にベビーカステラがあるしそっちも買っていこう。家でも食べれるしお持ち帰りコースだ。
そう考えると多めに買ってもいいな。1番でかいサイズにしておこうか。
「あ、いましたわ…探すのに苦労しましたこと」
と、買い物をしてる最中で聞きなれた声が聞こえてくる。
この声は……
「こんばんわ、皆さん。」
やっぱりかりんさんだったか。…ってかりんさんも浴衣なんだな、雰囲気バッチリだ。しかも似合ってる。
「1人?かりんちゃん」
気付いた海莉がそう問いかける。
「お友達と来てますよ。男ではありませんが」
首を振りながら否定するかりんさん。あら、そうなの。それなのにわざわざ挨拶しに来てくれたのか、ありがとう。
というかよく見つけれたな…
「目立ちますから。それに友達の姿は見れば分かります」
着てる服や髪型が変わっててもすぐにわかると言うかりんさん。地味にすごい能力だなそれ。
…てか、そういや一緒にきてるお友達は?
「少し挨拶してくると言って離れました。」
「ほんとわざわざありがとう。ちょうど挨拶して帰りたかったんだ。」
「構いませんわ。それにその子も…」
「子も?」
「…いえ、なんでもありません。」
?…あんまり聞かない方が良いのかな。聞かないことにしよう。
「そっか。…私達そろそろ帰っちゃうけどかりんちゃんは?」
「私はもう少し見て回りますよ。花火開始前にギリギリついたところですので。」
ついさっき来たのか。なるほど、祭り楽しんでくれ。
「ええ、もちろん。……あの、最後に写真だけ撮りませんか?」
「もちろんもちろん!ほら並ぼ並ぼ!」
かりんさんの提案に即頷く六花さん。邪魔にならないところまで移動して写真を撮ることに。
ちゃんと浴衣着てきて正解だったな、本当に。
「はい、チーズ。……ありがとうございます。」
「いえいえ。…後でそれ貰っても?」
「送っておきますわ。」
助かる。良い思い出になったからな。
「では友人の元に戻ります。気を付けてお帰りくださいな」
「かりんさんもね」
そう言ってお別れする。……さて、これで唯一の心残りだったかりんさんとも会えたし帰りますか。
「楽しかったねー!」
「また来年も見に来たいな、綺麗だったし」
「屋台も楽しかったし!」
そうだな、また来年遊びに来たいところだ。…次はちゃんと射的を遊びたいし。
「やり過ぎないようにしなきゃね」
「大也くんじゃないから大丈夫」
「失礼な……って言えない所なのが辛い」
「やーいやーい」
「六花も取りまくってただろ……」
どっちもどっちだなこりゃ。……ま、とにかく帰りますよ。ほらそこ、イチャついてる場合じゃないからね。
それではまた次のお話で会いましょ〜




