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第369話〜花火(VR)〜

それではどうぞ

「綺麗〜!」


花火を見れる場所まで移動した俺達。時間とかの関係で見れるようになるまで少し待たなきゃ行けないかと思ったのだがそんなこともなくすんなりと花火が打ち上がった。


…映像なのに本物と同じぐらい……と言うにはやや迫力が不足しているが、それでも充分過ぎるほど見応えがある。


音も花火が打ち上がってから消えるまでの挙動も全部リアルに再現されてるし、現実では有り得ないだろう人の顔の花火とかも上がるらしいし。


誰の顔なんだろうね?


「でも音ちょっとうるさいね…」


「下げようか」


確かに配信に乗せるにはうるさいか…通話越しに話すにも声が聞きにくくて会話しにくいし、半分位に下げておこう。


「どうみんな?」


コメント欄のみんなにも聞きつつ調整していくつもりだったのだがどうやら問題無さそうだ。


「ほら、ここで自分の好きな形の花火をあげれるらしいですわよ」


そう言って設定を教えてくれるかりんさん。…おお、なんか色々ある。

データを読み込ませればここに用意されてない形すら上げれるらしい。手が込んでますねぇ。


というわけで色々いじってみる。色は派手目にして…形は星とかにしてみるか。


消え方…消え方?そんなものまであるのか……とりあえずこれはデフォルトで。


よし、これで反映…っと。


「お〜ほんとだ、変わった」


俺だけ変わったのかと思いきや、次々に他の人たちが設定したであろう花火が上がってくる。

流石に共通だったか、これは。


「色々楽しめるね、これ!」


「描いてくれば良かった〜」


花火の形を変えれることに満足気なボタンと絵を描いて色んな形を楽しめば良かったと言う六花さん。


確かにこれを知ってたら予め準備したんだけどね。花火なんて知らなかったから仕方ないけど……


「花火を見てる六花達いいな、華がある」


「ほんとだ、絵になる」


ダイヤくんがそんなことを言い出したので俺も見てみたら確かにかなり絵になった。

いつまでも見てられるって言うかね。


まぁボタンは元々見てても飽きないんだけども。尚更見てられるね。写真撮っとこう


「ナチュラルに惚気けるようになりましたわね…」


「恥ずかしさ無くなってきたんじゃない?」


まぁ…もう今更だよね。恥ずかしいとか特に無くなってきたもん。


・ご馳走様でした

・てえてえ

・もっと惚気ろ!


コメント欄も茶化すでも冷やかすでもなく喜んでるからね。それもあってもう隠さなくていいやと思い始めてきた。


惚気ける場所や相手は選ぶようにしてるけど。…今みたいに不意に出たら意味は無いですけど。


「俺も惚気けとくか…」


「無理にしなくていいから」


どうせなら惚気けとけばいいのに。……それはそれとしてせっかくだからもう少し花火を楽しみますかね。




それではまた次のお話で会いましょ〜

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