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第364話〜六花誕生日〜

それではどうぞ

六花さんの誕生日当日。朝から海莉が六花さんを連れ出してくれるため俺は大也くんの家でお手伝いをする。


「じゃあ行ってくるね。」


「気を付けてな」


相変わらず可愛い海莉は今日かなり気合いの入った服装になっているからな。

ナンパとかされないように是非とも気をつけてほしい。


俺が言わなくても海莉は分かってるかと思いつつ行ってらっしゃいと言うものの、海莉は俺の方をじっと見つめていて動こうとしない。


どうしたのだろうか……ああ。もしかして行ってらっしゃいのキスでもしろってことかね。


「んっ。ありがと。」


よく出来ましたと言わんばかりの笑顔。ここまで喜んでくれるなら恥ずかしさを押してやった甲斐がある。


と、満足したのか海莉が六花さんと出かけて行ったので俺も大也くんと合流することに。


こっちで保管してある荷物を大也くんと運んだらいよいよ作業の開始だな。


「じゃあ今日はお願いします」


「こちらこそ」


挨拶は大事だよね。……ともかく。作業を開始しよう。


まずは2人で飾り付けの作業から。風船膨らませたり文字を貼り付けたり……実際やって見ると意外と大変な作業だなこれ。


その分喜んでくれた時はかなり嬉しいんだろうけどな。やり甲斐はある。


……今回の雰囲気は可愛い感じだな、色合いとかが六花さんっぽくて似合いそうだ。

六花さんが好きそうな飾り付けになってるしその辺は流石と言うべきか。


そうして全ての飾り付けが終わった頃には時間がお昼に差し掛かっていた。


ちょうどいい時間配分だな。今から作れば帰ってくる頃にはちょうど振る舞えるだろう。


「間に合うかな?この前かなりかかったし」


不安そうに言う大也くん。そう心配しなくても大丈夫でしょ。


「教えながらだったからね。ある程度同時に進めればいくらでも間に合うよ」


補佐ぐらいならしてあげるから大也くんでも間に合うだろう。教えながらじゃないから効率も上がるし。


とはいえ余裕があるわけではないからな。直ぐに取り掛かるとしよう。



「連絡来た、後5分で帰ってくるって」


作り始めて1時間が経過した頃、海莉からもう少しで帰るよ〜との連絡が来た。


となればここからは一気に仕上げだな。料理の盛り付けをして机に置いていこう。


盛り付け方も教えておいたが、一応最終確認はしておく。


と言っても大也くんは俺の教えた通り完璧に盛り付けていたので何も問題なかったけど。やっぱ飲み込み早いよこの子。



少々急ぎ気味で配膳を済ませた頃に六花さんが帰ってきたようで玄関の扉が開く音がした。


急いで電気を消して暗くしてスタンバイする。……何とかギリギリ間に合ったか。危ない危ない。


「ただいま〜」


そう言ってリビングにくる六花さん。昼間とはいえかなり暗めなため電気をつけようとしている最中に海莉がスタンバイ位置まで音を立てずにやってくる。


さっとクラッカーを渡して、これで本当に準備完了だ。


『誕生日おめでとうー!』


電気がついた瞬間みんなでクラッカーを鳴らして誕生日をお祝いする。


「わっ……えっありがとう!」


驚きながらも六花さんが喜びの表情を浮かべて……浮かべ……あれ、泣いてない?


「な、ないてないもん…」


「……大丈夫大丈夫、ゆっくりでいいよ」


泣くほど喜んでくれると頑張って良かったと思えるな。


その後直ぐに泣き止んだ六花さんの希望もあり、早速ご飯を食べることに。

食べ終わったらプレゼントといういつもの流れだな。

それではまた次のお話で会いましょ〜

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