第35話〜これから先〜
ちょっと短いかもしれませぬが許してください。
それではどうぞ
「わお…」
思わずそう言ってしまう程の額だった。昨日、あの後海莉と一緒にずっとゲームして、夜になって疲れたからと部屋に戻って寝た。
思ったよりも疲れていたようで朝は11時頃に起きた。の、だが…まさかもう結果が届いているとは。
どうやら、実刑の判決が下ったようで。懲役5年ね…多いのやら少ないのやら。
あとなんかお金が振り込まれたらしい。近頃の生活は便利で、スマホから口座の確認ができる。なので確認したところ……
「わお…」
こんな声が出たということだ。だって1000万ぐらいあるぜ?正確には800万とちょっとなので全然違うと言われそうだが……
とは言えあって困るものでもない。高校の学費とかその他諸々払えるし。
「どうかしたの?固まって」
「いや、思ったより額がすごくて…」
「ん〜?いや、これぐらいじゃない?1人の子供を育てるのに必要なお金ってだいたいこれぐらいって言われてたはずだし」
むしろ優成くんのこれまでのことを考えたらこれでも少ないと言う海莉を見ながら、これ以上貰ってもなぁ…と言う気持ちになる。
「多分優成くんこれから凄い額稼げるようになるから確かに要らないかもね」
「いや、無理だろ……精々一般的なお金貰えればいいかなぐらいじゃない?」
「優成くん、私がかなり稼いでるの知ってるでしょ?君は私と同じぐらい人気なんだし普通の人より稼ぐと思うよ。」
「…あんまり信じられないな。」
「その辺の感覚もしっかりしていこうね。有名人になるんだし。お金遣いは荒くなさそうだからその辺は大丈夫だろうけど」
「確かに、自分の影響力とかそろそろちゃんと自覚しないとダメだよな…。いつまでも海莉に甘えてる訳には行かないし」
その調子その調子、と撫でてくる海莉。ここ最近何かあるとすぐ撫でられる。男の頭撫でて楽しいのかな、サラサラしてないだろうに。
「あ、それでね。前に優成くんが住んでた家あるでしょ?あそこ、優成くんの好きにしていいんだって。ほっとくのも壊すのも、そこに住むのも。」
どうする?と言う海莉。…心無しか目が寂しそうだけど…
「ほっときたいかな、あそこで暮らしたくはない。嫌な思い出しかない。」
「じゃあ、一緒に暮らしてくれるの?」
「海莉が出ていけって言うまで出ていくつもりはないよ。…ああ、それで寂しそうなのか。」
大丈夫、どこにも行かないよと普段のお返しも込めて頭を撫でる。…おお、髪の毛サラサラだ。確かに撫でてて気持ちいい。
「……っ、わ、私ちょっとやること思い出したから!へ、部屋戻るね!」
顔を赤くしながら部屋に駆け込んで行く海莉を見ながらあんまり追求はしないでおこうと決めた。
「…にしても」
リビングでコーヒーを飲みながら、これから先…というか学校について考える。
いい加減行かなければいけない。けど、海莉が駄目!優成くんが傷付いて帰って来るのはダメ!!と泣きそうになりながら言ってくるので行けそうにない。あんな言われ方されて行けはしない。
かと言って放置も出来ない。…どうしようかなぁ……
お次は学校ですねぇ。
それではまた次のお話であいましょー




