第341話〜手紙?いや公開プロポーズ〜
それではどうぞ
そろそろ終盤にやってきました、クイズ大会。残る質問は3問…解いてきた7問は一応全問正解だ。
ほとんど難しかったが、1問目のような理不尽なものは無かったので助かっている。
ほんとなんであれだけ難しかったんだろうね。
「ではではここからは〜スタジオにいる私たちからの手紙のようなものです」
ふむふむ……なるほど?まあここにいるからVTRでは無くってことかね?
というかみんかからもあるんだ、そういうの。
てっきり無いのかと思ってたからちょっと嬉しい。…恥ずかしいのはあるけど。
「誰から行く?」
「じゃあ私からー!」
「あ、でも先にクイズ終わらせる…?」
手紙の内容自体はクイズとなんも関係がないようで、純粋にお祝いの気持ちを綴ってあるらしい。
なんとかクイズに繋げようとしたけど真面目にやりすぎて無理だったとの事。
なので先にクイズを終わらせちゃおう、という事に。企画の大事な部分をそんな軽いノリで終わらせていいのだろうかと思ったが、深く考えるのはやめた。
それぐらい真剣だってことだけ受け取っておこう。
とはいえ、残りの問題は初手でくるべきなぐらい簡単な問題が多く
「じゃあ8問目ー。私とダイヤが報告LIVEあげた日!」
「9問!私たちの配信を始めた日は?」
「ラスト!私とウルフくんの報告ライブの日は?」
という感じだった。勿論全問即答してやりましたよ。
分からないわけが無いんだけどね。もし分からないようなら喧嘩ものですよ、特に最後とか。
というわけで、開始の割にあっさりと終わったクイズコーナー。
まあ本人たちもこれを答えられないとは思ってなかったらしいしあっさり終わるのは仕方の無い事なのかもしれない。
「ではでは改めて私からー」
そう言って読み始める六花さん。声色がいつになく真面目だ…
「関わりは前からあるけど実は本当に仲良くなったのは最近だよね。」
「そうだね」
話してはいたけど踏み込むようになったのは本当に最近だ。…俺が怖がってたからってだけなんだけどさ。
それが今ではすっかり信頼出来る人の1人だもんな〜。
「ウルフくんのおかげで私はダイヤと上手く行ったと思ってるし、これからもダイヤや私と仲良くして上げてください」
大袈裟な。俺は何もしてないんだけどね。……仲良くしてあげては俺のセリフだし、勿論そうするつもりだ。
そして六花さんが終わった後もダイヤ君が続いて読み上げたが、両方とも中々に泣かせに来ていた。
泣かないで済んだのは配信してるからでしてなかったら泣いていただろう。
そして遂にボタンの出番がやってくる。
「泣かないでねウルフくん」
わざわざそう言って読み上げ始める。……泣かせに来るの?
「……ウルフくん。1周年おめでとう。私は最初の配信から見てるけどその頃と比べたら凄く成長したなって思います」
確かに海莉は俺の初配信から見てる、言わば古参だもんな。
「最初の方は何回言っても自分のことを大事にしてくれなかったあのウルフくんが、今やちゃんと自愛出来てるって思うと成長っぷりに私は涙が止まりません」
懐かしいような、慈しむような声で喋り続ける海莉。
「以前までは私が元気にする側だったのに、今はウルフくんからたくさんの元気を貰っていて…本当に私にとってかけがえのないものになっています」
……俺だって海莉から元気をたくさん貰ってるし、海莉がいなければ生きていけないぐらい大事な存在だ。
その後も、海莉から色んな言葉を投げられる。…その全てが俺を全力で泣かせに来る。
「貴方にとっては私が太陽だったかもしれないけど、私にとっては君こそが太陽だったんだよ」
だから、もういなくなるなんて言わないでね、と囁かれる。
……もちろん。ずっとそばにいるさ。
「あの時、君と出会えて……君と話が出来て、本当に良かった。君が私と一緒にいる選択をしてくれてよかった。」
泣くのを必死に必死に堪えていると、いつの間にか終盤まで来てたようだった。
ちゃんと内容は聞いてたが、本当に一瞬だか…
「あの時君は幸せにするから、と私に誓ってくれたけど。今度は私が言うね」
「…君を幸せにする。誰よりも幸せにする。…だから、私と一緒にいてください」
それではまた次のお話で会いましょう〜




