第340話〜根に持つタイプ〜
それではどうぞ
無事に問題を正解できた俺は続いてのVTRを見る事になっていた。
ふむ……次はなんだろうね?そういや特別ゲストがいるとかなんとか聞いたような聞いてないようなだが。
「御機嫌よう、諸君。」
「えっ…この声は?」
まさか…かりんさん!?いやいやいや、え?ゲストってそういうこと!?
「本当はわたくしもその場に行きたかったのですが、予定が合わなかったためビデオメッセージという形でお祝いを送らせていただきますわ」
「ああなるほど…」
現場に来ないのはなんでだろう?って思ったらそういうことだったのか。なるほどね〜。
忙しいもんね、かりんさん。
「1周年ですか…思えば早かったですわね。あなたにボコボコにされた日のことをわたくしは覚えておりますわよ」
「根に持ちすぎじゃ無いか?かりんさん」
「意外と嫉妬深いタイプなのかもね…」
そういや、リベンジ受けるとか言いつつやってないな。
今度、今度やるから。そう根に持たないでほしい。
「…冗談ですわ。そんなに嫉妬深い女じゃありませんことよわたし」
「ほんとかよ…」
こら大也くん。思っててもそういうこと言わない!多分聞かれるよーこれ。
というか、こちらの反応を完全に予想してるかのような話し方だな?
頭いいんだな、かりんさんって。
そんなことを考えつつ話を聞き進めていく。…いつになく真面目なかりんさん(普段も真面目だが)の話を5分ぐらい聞いていたが、そろそろ話も終わるようだ。
真面目すぎてふさける余地が無かったな。真剣に話してくれるのは嬉しいんだけどな。
「何はともあれおめでとうございますですわ、ウルフさん。……さてさて、そういえばこの企画はクイズ企画でしたわね?」
「………まさか」
「では問題です。わたくしと一番最初にやったゲームの名はなんでしょう?」
変な所で企画に絡んで来なくていいのに。このまま真面目な雰囲気で終わってくれればよかったのに…
「テトリちゃんでしょ?覚えてる覚えてる」
むしろこんな簡単なクイズで助かるからいいか。…かりんさんの良心かな?
「ふふっ、これは簡単すぎましたわね。では本題行きますわよ。」
さすがに正解だろうと思っていると即座にかりんさんの声が流れてくる。…本題?ってことは…
「では行きますわよ。…わたくしの誕生日は、何時でしょうか」
「うっわーーーしらねえええええ」
知らん知らん。聞いたこともないんだが?流石にこれを当てずっぽうは無理だろ…
Vとしてのなら覚えてるんだが……こうなるなら聞いておくべきだったな。変に遠慮しない方が良かったか?
「あ、ちなみにVとしての誕生日でいいですわよ。」
「なんだそれなら分かるわ…」
驚かせやがって。確か8月の31日だよな?流石に忘れてはないさ。
…お祝いし忘れたけど。それもあって覚えたからね!
「……8月の31日ですわ。正解したのか不正解なのか、今のわたくしは分かりませんが…多分正解したでしょう。おめでとうと言っておきますわ。」
あら、信頼してくれてるのかな?ありがたい。
「わたくし以外にも送る人がいるでしょうし、わたくしはこの辺にしておきますわ。…それでは1周年、おめでとうございます。これからの活躍を祈っておりますわ」
御機嫌よう、リベンジしますからねと言ってビデオが終わる。…うーむ、まさかかりんさんまで来てくれるとは。
「というか…」
「やっぱり根に持つタイプだよね彼女」
ボソッと発せられた大也くんの一言に全員が頷いたのは言うまでもない事だった。
それではまた次のお話で会いましょう〜




