第34話〜裁き〜
それではどうぞ!
「俺の母親…?」
俺の母親についてなんて言われてもなんのことなのかがよく分からん。まあ、確かにいつまでも無視できる問題でも無いのはわかってるが…
「うん。君の母親は今警察にいるの。」
…はい?警察?
「なんでそんなとこに…って、世間的に捕まって当たり前の事をしてるんだろうから不思議は無いんだろうけど…」
そもそも警察なんかうちに来たことはない。というかアイツらも助けてくれない側だ。いくら俺が母親に訴えても真剣に聞きやしないし、その都度母親を呼んで形式的に話を聞くだけだ。
それもちょっと話しただけで終わり、その後酷いことになるし……今更アイツらが何かするとは思わない。
「で、明日裁判の結果が出るから。十中八九実刑だけどね」
「え?いくらなんでも早すぎないか?普通、もっと時間のかかるものじゃ…?」
「かなり急いでもらったの。一刻も早くしてもらわないと優成くんが安心出来ないし。」
「急いでもらったで急いでくれるもんなんだ……」
びっくりだ。急いでください!で急いで貰えるようなものだとは思わなかったというのもそうだが、そもそも海莉が裏でそんなことをしてたとは。
……まさか、夜ずっとなにか作業してたのはこれなのか?…俺のために?
「普通は急いでくれないけど、世の中綺麗事だけで回ってるわけじゃないからね。私はそこそこ影響力があるのです。」
その辺はあんまり言いたくないかなぁと海莉が言うので、聞かないことにする。今大事な事実はあのクソ親が捕まって裁かれるということだろう。
確かにこのままだといつ接触してくるかわかったものじゃない。安心出来ないな。
「で、どうなるの?」
「優成くん、もう少しで18でしょ?成人の年齢がつい最近20歳から18歳に引き下げられたの知ってる?」
「え?ああ、確かそんなニュースがあったような…」
「もうすぐ成人だから、親権とかは変わらないんだけど……少なくとも5年は出てこられないと思うよ。」
あと、君から搾取してきたお金、君に使われるべきだったお金の支払いがあるはずだよと言う海莉。お金ねぇ…
「あいつがそんなに払えるとは思えないけど…?」
「母親の男が払うってさ、そこそこ立場のある人間らしくて問題にされたくないんだって。」
遠慮なく払ってもらうよ〜、さもなくば私の立場をフルで利用して問題にするから…と怖い顔で言う海莉。海莉を怒らせたらダメかもしれないとこの時本気で思った。
「明日には支払われてると思うよ。」
…っていう報告だけど、何か聞きたいことある?と聞いてくる。……んーそうだな。
「どうして、そこまでしてくれるの?」
疑問に思ったのはこれだけかな。母親のこと?血の繋がった他人ぐらいにしか元々思っていない。あれだけされて情がある方が珍しいと思う。なので、あ〜そうなんだぐらいの認識だ。
まぁ、振り込まれるらしいお金の使い道には困るが…海莉となにか食べようかな
「そうだね、最初声をかけたのはほっとけなくてさ。それから関わって、一緒に過ごして行くうちに守りたい大切な人になったってとこかな。」
「海莉………」
泣きそう。ここまで真剣に俺の事を考えてくれる人、今までいなかったし。
「泣かないの。あ、それから18歳になったら戸籍上の関わりも切ろうと思えば切れるけど…どうする?」
「切るかな。あいつの事だから、どうせ出てきたら俺に接触しに来そうだし。他人の方が追い払いやすそう」
「わかった。準備、しておくね」
「嬉しいけど、それぐらいは…」
自分でやるよ?と言ったのだが、私がやってあげたいからと言われた。優しいなぁ。
「にしても、本当に海莉には色々助けられてるな。どうやって恩返せばいいんだろう…」
「無理に返さなくても、私は優成くんがそばに居てくれるだけで満足なのです。」
そういうものなのかな……
「さ、暗い話は終わり!ほら、ゲームでもしよゲーム!」
「ひ、ひっぱらないで。やる、やるから〜」
まあ、俺も海莉が居てくれるだけで…いいかなと思う、そんな今日。
……母親が刑務所に入ったら、そうだな。1度ぐらいはなぜここまで酷く出来たのか聞きに行ってみるか。
もっと酷い罰にしようかと思ったは思ったのですが、まぁちゃんと法律的な裁きを受けてもらおうかなと
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それではまた次のお話であいましょう〜




