第33話〜大事な話〜
それではどうぞ〜!
「熱は引いたね!よくなったよくなった」
「ありがとう海莉。海莉が看病してくれたおかげだね」
「気分はどう?ちょっとは楽?」
「うん。まだちょっと熱っぽいような気はするけど…それでも気にならないぐらいだし。」
「念の為、今日一日は休むこと。昨日みたいにずっと寝てなくてもいいけど」
助かる。ずっと寝てばっかりというのはそのうち寝れなくなって退屈だ。
とはいえ、やることは課題か動画を見るぐらいしか無いんだけど。
「課題はダメです。動画はいいけど課題はだめ!」
「わかった。課題はだめで、動画はいいんだね。」
「そう。頭を使うようなことをしたら怒る。熱が出たら怒るから。」
分かった?と強く言われては頷くしかない。そもそも海莉が頑張って治すために色々してくれたのに再発させたら申し訳ない。
海莉が部屋から出ていったので、何をしようか考える。…んー、やることないんだよな。
スマホを確認すると佐藤さんから心配の連絡が入っていた。心配かけてしまったか。
「熱も無くなり体調は良くなりました。大丈夫です、と…」
すぐに返事が来た。何よりです。しばらく安静にして完全に治してくださいとのこと。
治るまではLIVE配信はしなくてもいいとの事だが、明日あたりにでもするつもりだ。そこまで日を開けてしまってはリスナーに心配をかけるだけだからな。
にしても………
「暇だ……………」
やることが無い。………んー、そうだ。久しぶりにボタンの動画をガッツリ見ることにしよう。
海莉、やらなきゃいけないことさちゃんとやってたみたいで動画が投稿されていた。俺の看病をしながら編集もしていたとは…かなり無理をさせてしまったのかもしれない。
ちなみに、動画の編集は自分でやるスタイルの人と事務所のスタッフに任せるスタイルのふたつがあるらしい。動画メインのVもいるのでそういう人は事務所のスタッフに任せる(専属の編集者がつくこともあるらしい)らしいが、どちらかと言えば海莉はLIVEメインだ。
LIVEメインだから…というのが全てでは無いのだろうが、海莉は自分で編集してるらしい。曰く楽しいよ?とのこと。
そういうわけで動画を見よう。海莉の編集はそこらの投稿者に比べてもかなり上手い。
動画を再生する。……んー、内容はどうやら案件っぽいな。
PC関係のグッズの案件か?流石だな〜。
そんなことを考えながら見ていたら終わった。んー、海莉のプレゼンの仕方が上手い。確かに、ちょっと欲しくなる。
とはいえ、買うお金無いけど。俺のチャンネルも収益化したはずだけど、収益が確定するまではまだ時間があるんだよね。いくらぐらいになるんだろう?
「入っていい?」
ノックとともにこえをかけられる。
「どうぞ。」
「動画は見終わった?」
「聞いてたのか…」
「にしても、寂しいなら私に言ってくれればいいのに。本人じゃなくて動画がいいの?」
「そういうことじゃない…確かにやることがなくて暇だなとは思ったけど、海莉もやることがあるだろうし…」
その…とどう上手く説明しようか悩んでいると、海莉が微笑み
「分かってる。ちょっと意地悪しちゃった」
「勘弁してよ……」
「ごめん。…それでね、ちょっと、大事な話があって」
一転して、真面目な顔になった海莉は……
「君のお母さんについて。準備が整ったから、ちゃんと話そうかとおもって」
そう、告げたのだった。
どういう話なんでしょうね?
それではまた次のお話であいましょー




