第329話〜記念放送完〜
それではどうぞ
「最後の方をお呼びしますね」
出番だよ〜と声をかける。配信見てるから分かるとは思うが…
「もしもーし」
「聞こえるよー」
「待ってた!おめでとうー!」
待たせた……って言い方が合ってるのかは知らんが最後だもんね。
最後がいいって言ったのあなただけどね。
あとありがとうね。100万は間違いなく君のおかげだよ。
「だって最後だと時間多く使っても迷惑かけないじゃん」
「延長前提かよ……」
「話したいこといっぱいあるんだもん」
まぁ間違いなく俺を1番見てきたのはボタンだもんな。そりゃ話したいことだってあるか…
「あ、自己紹介いる?」
「今更じゃない?」
それもそうか。俺を知っててボタンを知らないって事は無いだろうからな。
じゃあ早速質問に行きますよ?
「第一印象…難しいなあ」
海莉にとって俺の第一印象は公園で出会った時の事だ。
だから第一印象と聞かれればそっちを思い浮かべる訳だが……流石にそれを言う訳には行かないのでかなり難しいのだろう。
「声がいい子だなとは思ったかな。こんなにいい声してる子中々居ない!って。ゲームも上手かったし」
そ、そうか?声か……普段の声がいいつて褒められるのはあんまり無いな。
「あと、この子はいずれ大きくなるから今のうちにコラボしとけ!って気持ちがなかった訳じゃないかな。ごめんね?」
「いずれ利益があるからコラボするって普通の考えだから謝ることないと思うけど……」
それにあの段階では俺の方にメリットが多く、ボタンの方にはあまりなかった。むしろ変な男と絡みやがって!という意見の方が多かったのではないだろうか?
未来を見すぎなんだよなこの人。
「私の期待に応えるだけの頑張りを見せてくれるかな、って思ってただけだよ。結果的に超プラスだし」
期待に応えられたんなら良かったよ。失望させてないなら何よりだ。
ボタンにそんな気持ちを抱かせたくない。
「じゃあ次…印象に残ってる事だけど」
「そりゃもちろん付き合った時だよ。」
これに関してはどんな返答が来るのか予想出来ていたのでやっぱりそうかといった感じだ。
俺も印象に残ってるのは?と聞かれたらそれを答えるしな。
「やっと!!やっとだったもん!!私が!どれだけ!我慢してきたか!」
「お、おう。悪かった、悪かったから落ち着け」
「その分嬉しかったけど…!もっと早く私の気持ちに気付いてもいいんじゃないですかー」
それは………………うん、ごめん。確かにもっと早くに気付いても良かったよな。
ちゃんと見てなかった証拠だから尚更申し訳なくなる。
「これ以上言うと本気で凹みそうだからこの辺にしとくね。」
「そうしてくれ…」
いやほんと勘弁して欲しい。少なくとも今は…
「でも頑張ってるのも知ってるし、私のことを本当に大切にしてくれてるのも分かってるから。だから大好きだよ」
「あ、ありがとう」
急に褒めないでください。あんまり褒められるのは慣れてないんだよ…
「今後の課題だね。……次のウルフくんの目標は何かある?」
「ん〜、ボタンを抜くことかな?」
いつになったら出来るか知らんけども。ボタン未だに伸びてるからなぁ…あと1年かかっても追いつけるかどうか。
「私?…追い付かれないように突き放さなきゃ」
絶対追いついてやるから。いつまでも負けてる訳には行かないしな!
ずっと頼りっぱなしになっている訳にも行かないのだ。頼られるようにならなければ。
「男らしくなったね、ウルフくん。」
「そりゃボタンを守らなければいけないから」
「……………………っ、もう。ばか」
本心だし、好きな女の子を守りたいって思うのはおかしくないだろ?
「……ほ、ほら!時間だよ時間」
「……ん?ああ、ほんとだ。じゃあ最後に一言どうぞ」
言われるまで気付かなかった。しまったしまった。
「これからも私たちをよろしくお願いします!」
そう言って落ちていく海莉。…まあ海莉はこの後のコメ読みに来ると思うから一時的だろうけど。
さて、配信を締めなきゃな。スパチャ読んでおこうかな、今日は額も量も多いし。
スパチャをかなり時間をかけて読み、終わった辺りで配信を締める。
「えー、本日来てくれた凸者の皆様ありがとうございました!見に来てくれたリスナーのみんなもありがとう!」
「みんなのおかげで、色んな人に支えられて俺はここまで活動することが出来てます。これからも今まで以上に頑張って活動しますので応援よろしくお願いします!」
それではまた会おうなみんな!と言って配信を終了する。……疲れたが、まだやることがある。やらねば
それではまた次のお話で会いましょ〜




