第314話〜神様はいるのかな〜
それではどうぞ
「お久しぶりです佐藤さん」
事務所について佐藤さんと合流し、企業から頂いたものを受け取りにいく。
ちなみに海莉は既に別のところに荷物を取りに行った。
一応別々に管理してるらしい。しっかりしてるねえ
「お久しぶりです。…ブツはこちらです」
案内助かります。……ブツって言い方だけ何とかなりません?
「それっぽいでしょ?」
「完全にやばい人たちの会話…」
…で?これ?思ったより小さいんだな…
「ええ。ヘッドホンですからね」
そりゃそうか。ヘッドホンが大きくても困るしな〜…っと。
このよく見慣れないやつは?
「便利アイテムですね。これは別の会社からです」
すとりーむ……でっく?ストリームデックか。ライブ配信用の超便利アイテムだよな?
そこそこ高い上になくても特別困らないから買わなかったがこれは嬉しいものだ。
「荷物はこれで最後です?」
「ええ。あ、かりんさんからお礼の品も届いてますよ?」
「それ結構重要なやつじゃ……」
「…………てへっ」
てへっ、じゃねーよ。かりんさん泣くぞ?
ほんとあの人よく雑に扱われるよなぁ……
「雑に扱ってる本人が何言ってるのか…」
「…ま、とりあえずこれも受け取りますね!」
美味しそうなお菓子…?和菓子か。これ高いメーカーの奴だろ?
あの人ほんとにこういうところは律儀なんだから…
「あ、優成くん!」
「ん?海莉か。荷物取った?」
「受け取った!…その和菓子何?」
「かりんさんのお返し。」
帰ったら食べようか、これ。…和菓子って辺りがあの人っぽいよね〜
「じゃあ、あの件伝えときますね!」
「お願いします」
海莉がマネージャーにそう言ってるが…あの件って何?
「まあまあ。」
「ほら行くよ〜」
また俺だけ何も知らされないパターンだな?まぁ良いんだけどさ、いいんだけどね?
俺にも知らせるべきじゃない?そういうの。ねぇ、どう思う?
「何も知らない方がリアクション面白いし〜」
「おいこら」
それが本音か。…って、痛い痛い!どこ引っ張ってるんだ…!
分かった、分かったからー!諦めるから!
「はあ…酷い目にあった」
色んな意味で。……色んな、意味で。
「でもそんなに不思議なことはないよ?ただ優成くんがメインのLIVE企画があるぐらいで」
「それ尚更俺が知らなきゃならん情報だよな?」
「ただ優成くんは聞かれたことに答えればいいだけです。」
「いや………それだけ?」
他にもあるけどそれだけ知ってればいいの、ということらしい。
いや……まあいいや。こういう時の海莉には聞くだけ無駄だ。
「まあまあそうかっかせずに。食べる?美味しいよ」
いつの間に肉まんなんて買ったんだ。…貰うけど。
食べ歩きなんてあんまりした事ないから新鮮だな。
「それで?一通り買ったけどあとはどこに行くの?」
「神社、かな。あんまり行ってないでしょ?」
うん、行ったことないな。…神なんて信じてないし。
「まあ…気持ちはわかるけど。でもほら、私と優成くんが出会ったのも神様のおかげかもよ?」
「それはまぁ…そこだけは感謝してもいい」
「ほらほら、行くよ?それとも嫌?」
「…嫌では無いけど。」
食べ歩きしつつ神社に移動する。…神様って、いるのかね?
「はい、5円玉。」
「ああ、ありがとう。」
ご縁がありますように〜…とかいう起源だったか?
まあいい。神社についたはいいものかなり並んだし後ろに並んでるからな、さっさと済ませてしまおう。
「一緒に鳴らそ」
鐘を海莉と一緒に鳴らして、その後祈りを捧げる。
そうだな…ここは縁結びらしいが俺には既に海莉がいる。
(これからも海莉と一緒に過ごせますように…)
これだな。まぁ恋愛ごとなのでこれぐらいは叶えてくれるだろう。
神様に祈るならこれぐらいだな。祈る前に行動するが。
「…ふふっ」
海莉も一緒のお願いか。…目を見ればそれぐらいは分かるようになってきた。
お互いに少し顔を赤くしつつ逃げるように御守り売り場に移動する。
2人して何を買ったかは…想像におまかせしておく。
それではまた次のお話で会いましょ〜




