第3話〜初めてのVTuber〜
それではどうぞ〜!
翌日、俺は必要な機材を全て買い揃えて準備をしていた。
VTuberをやるからには、名前やそのキャラの設定を考えなくては行けない。
と言っても、俺にそこまで複雑な設定や名前は考えられないので設定は極力俺に近くしてある。
名前は独野ウルフ。群れからいじめられて人里に来た…という感じだ。現実の狼は仲間想いらしいがその辺は知らん。
そしてアバターだ。自分のキャラになるものを作らなくては行けないが、俺に絵は描けない。だがその辺は安心、多くのVTuberが自分のキャラクターを作るために使っているアプリを教えてもらえた。
あとはチャンネルの作成とかだがこちらはもう終わっている。今日は祝日だし、お昼時に配信すれば人も来てもらえるだろうとのこと。
それから、PCでゲームなんてしたことないが初見プレイも需要あるとの事。なので最近話題のPCホラーゲームを用意した。
タイトルは…初配信!狼がホラゲーやってみるとかでいいか。もっと上手いタイトルの付け方があるんだろうけどわからん。
よし、このボタンで配信開始だな?ぽちっとな
「あ、あー。これで入ってるのかな?よし。」
配信を開始すると、すぐに視聴数が2になった。始めたての人は始めたての人の欄があるらしく、そこから来てくれる人がいるそうだ。
「さてさて、ではこのバイオ・サバイバルをやって行く前に自己紹介かな?俺は独野ウルフ。ウルフとでも呼んでくれ…群れを追い出された孤独な狼だ。」
そんな感じに自己紹介をし、ゲームを始めるボタンを押す。
【コメント欄】
・初めまして。怖いのは平気なの?
「正直ホラゲーはやったことがないからわからんが、まぁ驚いたことは生まれてこの方ないから大丈夫だろう。」
【コメント欄】
・悲鳴が楽しみだな
・そうだな。
「よし、ゲームモード…ノーマルで見てても面白くないだろうからハードだな。じゃあ始めよう!」
そしてコメント欄の人達と話しながらムービーを見たりして話していく。チュートリアルはさくっと終わらせて本編へ。その間、操作方法を見たがそこまで難しいものでもなかったので一安心。
「お?おー。なるほどここでこうやって出てきて驚かせるんだな。」
【コメント欄】
・ここ、序盤の驚きポイントなのに。ほんとに驚かんとは…
・いや、まだだ。まだ序の口。
「まあ序の口だよな。こんなので驚いてる人はいないだろう。お、敵も多いな。」
「というか、もしかしてバカスカ銃打ってたら弾足りなくなるか?だとしたらなるべくナイフで…よっと。」
【コメント欄】
・序盤だと足りなくなる。終盤はまだ何とかなる。
・ナイフの扱い上手いな。
・ここから、ここからだぞ。
・初見。主初めてなのに現段階でも割と伸びてる。
「ん?…視聴数50!?誰かが拡散でもしてくれたのかな。ありがとうな!チャンネル登録してくれれば嬉しいぞ。」
そう言ってプレイに戻る。おっと?もう1ボス付近についたようだ。
「おお、もう1ボス?びっくり要素は…ああ、上から画面ドアップなのな。」
【コメント欄】
・こいつ…本当に驚かない
・初見の人、だいたい悲鳴あげるのに。
・↑初見じゃなくてもびびる。
「この程度はまだ驚かないよ。お?頭じゃなくて胸が弱点なのか珍しいな。」
そう言って2分ほどで倒す。いや、意外と簡単なゲームだな。確かに初心者でもやりやすい。
【コメント欄】
・ほんとに初見?
・初見1ボスノー被弾…
・このゲームノーマルやイージーは簡単な分ハードは難しいのに…
「ほんとに初見だぞ。それどころかPCも今日買ったぐらいだ。」
【コメント欄】
・こいつはやべぇ…
・センスの塊だ
・伸びるな、古参アピしよ
・↑俺もしとこう
「まあまあ被弾してるかしてないかは些細な問題だよ。次行こう次」
その後もびっくりポイント(らしい)が来ては淡々と受け流し、その度にコメント欄が驚くということを繰り返していた。尚、徐々にコメント欄の流れが早くなっていく事に気がつかない俺氏。
【コメント欄】
・同時視聴数200おめでとう
・まあ、何気ハイパープレイしてるもんな初見で
・何回もやってるならできるだろうけど、初見だからな。
・基礎的なことすら聞いてるぐらいだもんな。
「え!?なんで200人もいるんだ!?…分かったバグだな?」
【コメント欄】
・なんでやねん
・なんでやねん
・なんでやねん
・初見とは思えんプレイと初見プレイだと分かるぐらいの知識のなさ。それから声の良さで伸びたねおめでとう。
「わおそういうこと。…なるほど、それならせっかく集まってくれたみんなと話す時間も取ろうかな。…っと、3ボス終わり。」
【コメント欄】
・なんでやねん
・おかしいやろ!
・雑談タイム?
「そうだな、雑談タイムにしよう。と言っても特に何も話したいことは無いから、聞きたいことがあれば…」
その時だった。
「主さんの自己紹介を見たいです!Byボタン」
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