第296話〜旅行終了〜
短めでごめんなさい
それではどうぞ
朝。カーテンが開けられる音で目が覚めた。……結構寝てたのかなと時間を確認したところ朝の6時だった。
「おはよう。ご飯いく?」
起きたのに気付いたようで海莉が声をかけてくる。
「…おはよ。いく」
本日はホテルで朝食を取ったあとチェックアウトして、釣りして家に帰る予定だ。
チェックアウトまで余裕はあるとは言えお腹は空いているのでご飯は食べたい。
「…いつからおきてたの」
「ちょっと前かな。早めに寝たから早起きしちゃった」
「そか」
確かに昨日はいつもより早めだったしその分起きるのも早かったようで。
寝起きの甘えん坊海莉も堪能したかったが…それは仕方ないか。また今度にしよう。
「……だめ」
「なんで」
俺の考えていることを読んだのか、海莉が否定してくるので理由を聞いてみる。
すると恥ずかしいから、という答えが返ってきた。……そんなに恥ずかしいかね?むしろ可愛かっぶふううう!?
「もう、早く準備して。」
「わかったわかった、悪かった」
わざわざ枕投げんでも。……ま、お腹すいたんで準備しましょうかね。
そう考え、さっと着替えて朝食を食べに行く。ホテルの朝食って美味しいものが多いから楽しみだな〜
「釣れるかなぁ…」
ご飯を食べてチェックアウトした俺たちは昨日できなかった釣りに来ていた。2時間でどれだけ釣れるのかだよな…
ここでは色々と季節により魚が釣れるらしい。今だと石鯛や真鯛が釣れるらしい。6月ぐらいまで季節だもんね。
「各2匹ずつは欲しいね」
「そうだな。」
分けるのも考えて、な。さてさて初心者にどれだけ釣れるか……そう考えていたが、30分ほど釣りを続けていると海莉の方に魚が来た。
どうやらヒットしたようだ。
「大丈夫そうか?」
「もちろ…んっ!」
よいしょっ!と言いながら引いた海莉。釣り竿の先にかかっていたのは……真鯛かな?しかも結構大きい。
「やった!釣れた!釣れたよ〜っ!」
「おめでとう海莉。さすがだね」
凄く嬉しそうな顔をして喜んでいる海莉。釣れるか不安だったようだから尚更嬉しいのだろう。
さてさてこれで1匹確保完了だな。さっきまで泳いでた分新鮮だし今日の夜ご飯になりそうだ。
「…っと、おお?」
俺もどうやらヒットしたようだ。魚が引いてる感覚がある。
…確か、こんな感じで魚に針を引っ掛けて…
で、あとは…釣り上げるだけっ!
「お〜……なにこれ」
「石鯛だ!すごーい!」
これが石鯛か。…って、順調だな??真鯛に続いて狙いの石鯛まで釣れるとは……
このままおすそ分けの分まで釣れてくれると嬉しいが、ここまで順調に釣れると少し怖い気もする。
「考えすぎだよ〜。……でも優成くん釣り上手くない?ほんとに初めて?」
「初めて初めて。…予めやり方を勉強してただけ」
初心者でも出来る!釣り方講座!…みたいな動画をいくつか見ただけだ。
ほんとに初心者でも出来たようで何より。効果はあったんだな、疑ってごめんよ。
「というか海莉も上手くなかったか?」
「そんなことないよ。」
笑いながら否定してる海莉。……いや、上手いよね?妙に手馴れてるよね?
…残念だがこういう時の海莉は言ってもはぐらかすだけなので大人しく諦める。まぁ多分多少やったことはあるぐらいなのだろう。
隠すほどでもないのにな…とちょっと寂しくなっていると海莉が私もやったことは無いよ。…ごめんね?と頭を撫でながら言ってくる。
嬉しいけど今は釣りに集中しよう?海莉。ほら、引いてる引いてる!
その後2時間経つまでやった結果、合計で石鯛が3匹に真鯛2匹とかなりの釣果だった。
釣りも中々に楽しい。時間が出来た時にでもまたやりたいものだな。
そのままそこで売っていた伊勢海老をお土産にいくつか購入して、名残惜しいが初島を去る。
帰りのフェリーに乗り、本州まで戻ったあとは少しお土産を物色して帰路に着く予定だ。
それでこの長かったような短かったような旅行が終わる。
「…楽しかったね。」
「そうだな。いい息抜きになったし、こうして旅行に来るのも楽しかった。」
何より前の大阪の時は付き合ってなかったからな。…付き合った状態でこうして来る旅行は初めてだったわけだから尚更特別だ。
「次は箱根とかいいかもね?」
「箱根かぁ…日頃の疲れを癒すのに良さそうだ」
まぁ海莉と一緒なら何処でも楽しいのは間違いないだろうけど。
その証拠に、また来ようねと笑いながら言った海莉の顔は……
何よりも輝いて見えた。
GW編、もう少しだけ続きます
それではまた次のお話で会いましょ〜




