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第295話〜ホテル〜

それではどうぞ

「終わった…」


結果として当初より遥かに多くのリプを頂いたので3時間もリプ返する事になったが、それでも大体全部に返すことが出来た。


3時間も指を動かしていたので流石に疲労が溜まってるのだが、横を見ると海莉も同じようにベッドに倒れ込んでいる。そりゃ疲れるよな。


「楽しいし面白いのもあったんだけどね」


「いっぱいあったな」


全く楽しくなかったり面白くなかったらこんなに続かないしな。

みんな今日あったこととか面白エピソードとか喋ってくれるの見てて楽しいから3時間も続いたのはある。


まぁ中には


・この写真で一言

・〜とかけてください


とか言う無茶ぶりもそこそこの数あったけどな。何とか頭回転させて答えましたけども俺に大喜利の才能がないってことはよく理解した。


「定期的にやりたいけど時間はもうちょっと短くしないとダメだね」


起き上がりながら海莉がそう呟く。…確かにそうだよなぁ。…来たい?いいよおいで?


「普段からやるなら1時間ぐらいならちょうどいいかもね」


「気が向いた時にやるぐらいがちょうどいいよ…」


ゴールデンウィークなのに配信が無いって事で今回はやったけど、これは気が向いた時にやるべきだと思う。


まぁこれのおかげでリスナーが定着したと考えればこの疲れも許容出来る。


「……寝ちゃいそう」


「ベッドがあるんだからそっちで寝なさいよ」


別に膝の上で寝るのはいいんだが…せっかくいいベッドがあるのにそっちで寝ないのは勿体ないぞ?


「優成くんに抱かれながら寝たい」


いつも寝てるのでは……と思ったが確かにいつも腕の中で寝てる訳では無いな。

今日はそういう日なのだろう……全く仕方ないなぁ。


「おいで?」


布団を広げつつ言ってみると海莉がそこに飛び込んできた。

…やっぱり海莉っていい匂いだよな。


「…変態?」


「なんで……とも言えないな。」


今のは確かに変態だったかもしれない。女の子の匂いを嗅いでいい匂いは……うん、すまんかった。


「最初の頃に比べると随分と心を開いてくれたね」


腕の中で笑いながらそう言う海莉。確かにそうかもしれないな。……最初から心を開いてた気もするけど。


「ねえ、今は幸せ?」


「当たり前だろ。これで幸せじゃないならどれが幸せなんだ」


君をもっと幸せにするから、って言われてたなそういや。

…それでほんとに幸せにしちゃうんだから凄いよな海莉は。


「好きだもん。幸せになって欲しいって思うよ。」


「今が人生で1番幸せだから」


なんとも嬉しいことを言う海莉の唇を奪う。……うん、やっぱり幸せだよ。


少しの間海莉を撫でていると眠そうに欠伸をした。

…今日は朝からだったし歩き回ったしそりゃ疲れてるわな。お疲れ様、ほんとに。


「明日も朝からだし今日は早めに寝ちゃいな」


「むう……優成くんといっぱい話したかったのに……」


だからといって無理して起きてるのは体に良くないぞ?


「せっかく修学旅行みたいなトークできるチャンスなのに」


「修学旅行って何話すの?」


「お前好きな人いないのかー……とか」


恋バナってやつか。……俺の好きな人は海莉だしその本人と話してるんだから恋バナも何も無いのでは。


「人の聞いてる分には楽しかったよ?良いなぁ、って思ったし」


「……」


「でも今幸せだから。私は君に出会えたから、それでよかったなぁって」


…あれ、なんか泣きそうになってきたんだけど。泣かせようとしてる?


「してないよ。……だから、ね。ずっと一緒だから」


「…ああ。ずっと一緒だ」


そうして海莉が寝た後もしばらくの間抱きしめ続ける。こうしてみると海莉だって1人の女の子なんだな。

……俺が守らないとね。

それではまた次のお話で会いましょ〜

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