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第284話〜ご褒美に自分〜

それではどうぞ

「何を馬鹿なことを言ってるんだ!」


「そんなことできるわけないでしょ!?」


「……うん、いい感じかも」


「形になってきたね!」


これは喧嘩してるわけじゃなく、お互いのセリフを読みあってどんな感じか練習してるだけだ。

結構な回数練習したおかげでそこそこ形にはなってきている。


最初は上手く感情を込められなかったのだが……成長するものだな。


「今日はこの辺にして休憩しよっか。一通りものにはなったし」


そうだな、今日はもう充分練習した。後は本番までこの感じを忘れないように適度に復習するぐらいで良いだろう。


「でもこういうの結構楽しいね」


確かにな。あんまりこういった経験はないから尚更な〜。

今度こうやって声劇って言うの?やってみてもいいかもしれない。


やるとしたら動画だけど。…流石にLIVEではやりたくない。


「え〜…私聞きたいな」


「恥ずかしいから聞かれたくないんだけど。…ちなみにどんなセリフを?」


一応、聞いてみる。ハードルが高いのは流石に無理だが低ければ言えるし…


「愛を囁いてくれるとか?アニメの主人公みたいなセリフを言ってくれるとか…」


どんな罰ゲームよそれ……嫌なんだけど?めっちゃ恥ずかしいやつじゃん。


「……言ってくれないんだ。ふ〜ん……」


そう言って拗ねつつ悲しそうな顔をする海莉。

演技でもそんな顔されたら…ああもう。わかった、言うから!言うからその顔やめて!


「海莉はもう俺の彼女だから。手放さないし他の男の所に行くのなんて許さない。…俺が、絶対幸せにする。」


「…………っ」


「好きだよ海莉。愛してる…」


「…私も。私も大好き。」


嬉しそうな顔をしてる海莉を抱きしめて耳元でさらに囁いていく。

……言って欲しいって言ったのはそっちだからな、もうやめてって言ってもやめないぞ?


「も、もうわかった。私が悪かったからあ…だから許して。これ以上は耐えられないよ…」


あのあと少しの間言い続けてたら海莉がギブアップした。

…ふーむ、もう少し続けてもいいんだけどこれ以上は良くないか。


「……満足してくれたか?」


「まんぞくした。…安心した。優成くんが私の事好きで居てくれてるんだって」


「好きに決まってるだろ。…不安にさせちゃったか?」


「不安になったというか…嫉妬と言うか。」


六花さんと話してたからか?別に六花さんは大也くんがいるし……って、そういう問題じゃないんだよな多分。


「それは悪かった。お詫びにあとは俺をすきにしていいから」


「……そんなこと言われたらほんとに好きにしちゃうけど、いいの?」


伺うようにそう言ってくる。…いいとも。


「頑張ったご褒美ってことで。…俺なんかで良ければだけど」


まさか自分をご褒美としてあげることになるなんて思わなかったけどね。

まぁそれで喜んでくれるなら安い物だしな。頑張った子にはご褒美を上げないと。


「最近私ばっか嫉妬してる気がする…」


「そんなことないさ。…俺も嫉妬する時はするし」


そう伝えて部屋に向かう。……どの部屋かって?まぁそれは内緒だ。うん。

まだ昼間なんだけど……いや、言うまい。


お手柔らかにお願いしますね海莉さん。この後やる事あるんだから。

それではまた次のお話で会いましょ〜

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