第280話〜テレビ〜
それではどうぞ
「続いての方はこちら!」
そうして俺の映像が流れていく。……テレビに自分が流れてるのってなんか不思議な気分だな。
「優成くんだ!」
「俺だねぇ」
「……というわけで第2位は独野ウルフさんです!」
そういやなんか今回の特集はランキング形式らしく下から順に発表されている。
俺はありがたいことに2位だった。思ったより高い順位だな。
「むー……1位じゃないなんて」
「俺より有名な人はいくらでもいるんだから仕方ないよ」
「むー……」
唸る海莉を何とか宥める。気持ちは嬉しいんだけどこればっかりは仕方ないからな。
「最近凄い人気になってきた方ですよね。私もよく見てます」
「あれですよね、カップル系VTuberですよね」
こういう人達にまでカップル系として認知されてるんだな…
普通にVTuberとしての活動もしてるんだけどね。まぁ自分でも否定しきれないけど……
「1年足らずでここまで人気になるって凄いことですよね。」
「普通じゃありえない伸び方してますもんね。ゲーム以外もしてますよね?」
……なんだろ、意外って言うと失礼かもしれないが結構褒めてくれるんだな。
もっとボロクソに言われるのかと……流石にそんなの放送出来ないか。
「最近はVTuberと芸能人も絡みますしいつかご一緒できたらなと思ってます」
確かに最近はVTuberさんも芸能人の方と絡むようになってきてるもんな。
ゲームの大会とかで一緒になるとかコラボするとか。
「あー、そういや美玲ちゃんも活動してるんだもんね」
「はい!ずっと配信で言ってるんですけどなかなか…」
「おーい!うちの美玲いじめないでくれ!」
……言われてたっけ?そういや俺のリプにその手の類のことがちょくちょく来てたような……
ま特に気にしなくていいか。縁があればやることもあるだろう。マネージャーから何も言われてないなら気にする必要も無いってことだろうし。
ふと気になってチラッと横の海莉を見るとさっきまで暴れてたのに怖いぐらい無言になっている。
彼女に何があったのでしょうか。怖いので聞きませんが…
「…ねぇ優成くん」
俺が見ていることに気がついたのか、海莉が囁く。
「はい、なんでしょうか」
「……今度ご挨拶しなきゃね」
いや……純粋にファンとして言ってくれてるのであって海莉の心配するようなことは何も無いと思います。
と言ったところ海莉はふふふと怪しげに笑うだけだった。
そんなに心配しなくても他の人の所になんて行かないし他の人に心を開くことも無いんだけどな。
「そう言われても心配は心配なの。不安になる時もあるの」
「…そりゃ悪かった。ごめんよ、心配させて」
「優成くんだって私がほかの男と仲良くしてたら気にするでしょ?それと一緒だしそんなに気に病まなくていいんだよ」
そう言われれば確かに……それでも不安にさせたのは俺だしね。
不安を払拭できるように甘やかす。キスをねだられたのでそっと口付けしまして…
そうやっめ少しの間いちゃいちゃしていたらいつの間にか2位から1位の人の話に移行していた。
後半聞いてなかったけど、まあいいか。そんな対した話もしてないだろう。
「あ、1位六花さんだ」
「確かに最近尚更人気だもんねえ」
元々人気があったんだけどね、六花さん。さらにまた人気になったよな〜なんでも以前より可愛くなったとかアイドル系だったのが尚更距離が近くなったとかで。
「私も抜かされないように頑張ろ」
「無理はするなよ?」
しないよ〜と言う海莉に何かあったら相談してと伝える。
海莉、俺に余計な心配をかけたくないって思いから俺に相談してくれないことも多いけどして欲しいよね。
ちょっと寂しいしな。
…っと、俺の部分も終わったしあとは見なくてもいいだろう。
六花さんの部分は…まぁ後でダイヤくんから教えてもらえば問題あるまい。
それよりも呟いて反応を見てメール返して……意外とVTuberの仕事は配信以外にも多いのだ。
もしあの人…美玲さん?って人から反応来てたら返さないと失礼だしな。さすがにないと思うけど〜
それではまた次のお話で会いましょ〜




