第28話〜もっと自信をもって〜
癒し会が続いてますねぇ。
それではどうぞ!
「どうします?って……」
そういうの、普通事務所が決めるものなんじゃないの?というか、そもそも俺が仲のいい配信者はボタンしかいないわけで。
「そうなるとボタンしか居ませんが、それでもいいんですか?」
「いいですよ。彼女も反対はしないでしょう。」
むしろ喜ぶでしょうね、と意味深に笑い出す佐藤さん。…なんか怪しいものを感じる。
「気のせいですよ。では、ボタンとウルフのコラボということで話を進めます。次はこちらからそろそろ事務所に来てほしいと連絡しますのでボタンさんと2人で来てくれれば。その時にコラボグッズどういうものにするか話しましょう」
それまでに色々準備しなければ…と呟く佐藤さんを見ながら、マネージャーって大変なんだろうなと思う俺だった。
「では、今日はこれぐらいで終わりですね。お疲れ様でした」
最後に配信で困ってることはないかとか方向性迷ってないかとか、そういう系の配信の悩みを聞かれたが今の所特に無いと答えて今日の話が終わったようだ。
「あ、終わったの?」
「うん。…そっちはすでに終わってたの?」
「10分ぐらい前にね。結構スムーズに進んだからさ。」
「じゃあ待たせちゃったのか。」
「あんまり気にしないの、私が勝手に待ってただけだから。…で、佐藤さん!あれどうなったの?」
あれ?…あれとはなんぞや?
「バッチリです。あなたしか選ばなかったですね」
「やった!優成くん〜!」
なんのことだ?と思っていたけどコラボグッズかい。…なるほど、先に海莉の方に話が来てて海莉は俺がいいって言ったのか?
「そういうこと〜!」
「なんでそんなことを…って、そろそろ離れて。周りの目があるから…」
嬉しいのは分かったからそろそろ離れて欲しい。くっつきすぎなのも困ったものだ、当たるし…。
何がとは言わないが。
「仲が良いのはいい事ですね。では、私はこれで。」
「あ、ありがとうございました。」
佐藤さんがお幸せに〜と言いながら消えてったが、それは付き合ってる2人に向けて言うものだと思う。間違ってますよ佐藤さん……
「そう見られてるってことだよ。」
「そうかねぇ……」
俺に海莉は勿体ないと思うけど。
「…嫌なの?」
「まさか。嫌じゃないけど、自分じゃ相応しく無いなと思ってるだけだよ」
嫌じゃないから、そんな悲しそうな顔しなさんな。嫌がるわけが無いでしょ。
「そんなことないよ?…私は優成くんのいい所、いっぱい知ってるから」
「…ありがとう。」
恥ずかしくなってきたのでそう返して、さっさと立ち去ろうと足を向ける。待って、置いてかないで!と海莉がすぐ追いついてきたが。
「歩くの早いよ…」
「ご、ごめん。…苦しかった?」
「ちょっとだけ。…これは後で何かしてもらわないとな〜」
「お、お手柔らかにお願いします…」
「それはそうとしてさ、優成くん他にコラボグッズ出したいなって思う人居なかったの?」
「海莉の他に仲のいい人なんていないし、海莉より好きなVTuberさん居ないし。」
大して仲良くもない人とコラボグッズ出します!と言って果たしてファンが喜ぶのかと言うお話である。まぁ、両方好きなら喜んでくれるかもしれないがそういう人の方がレアだろう。
「…そっか。もし別の人選んだらどうしようってちょっと考えちゃった」
「別の人を選ぶ気は無かったけど…もし選んでたらどう思ったの?」
「すっごい悲しいんで泣いちゃったかも?私、配信者としても優成くん好きだし。」
言い方に一瞬だけ引っかかるものを感じたが、配信者として俺を認めてくれているという言葉の喜びにすぐにかき消される。
「だから、もうちょっと自分に自信を持ってもいいんじゃない?」
自信無さすぎだよ。大丈夫だよ?優成くんなら、と優しく微笑んでくれる海莉。
「海莉……ありがとう。」
俺が、ちゃんと認められてたんだって。そう海莉に口にしてもらえることが嬉しくて、もっと頑張らなきゃ!と決意する俺。
まずは水曜のコラボをバッチリ成功させないとな!
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それではまた次のお話であいましょー!




