第27話〜まさかのグッズ!?〜
何事も唐突に起こったりしますよね。
それではどうぞ!
本日は事務所に行く日だ。前に行った時は事務所まで電車で向かったんだけど今日はタクシーを呼ぶらしい。贅沢な事だ。
と思っていたら、いつもの事だから気にしないでと言われた。まあ、海莉は容姿かなり整っているしVTuberだから安全上仕方ないのかな。
「そろそろいくよ」
「あ、ごめん。今行く。」
荷物をもって海莉のところまで行く。俺はそこまで荷物がないのだが、海莉はそこそこに荷物があるようなので海莉の荷物を持つ。
「……優成くん、女たらし?」
「…なんでそうなったの?」
「だって、しれっとそんなことしちゃうんだもん。ずるいよ。」
私を惚れされる気なの?という海莉に対してそんなつもりは無いと返す。そもそも男が荷物を持つのは普通なんじゃないか…?
「そういう所が、君の素敵なところだよね。いっつも私のこと考えてくれるし…」
「海莉だって、俺の事を考えてくれるじゃん。そういうことだよ。」
「んー、私とじゃ意味が変わるんだけど…まいいか。そのうちそうなるし」
理解できないことを呟いた海莉に聞き返す間もなく、タクシーが到着した。…むう、後で聞くか。
「相変わらず凄いなぁここは。」
「これから何回も来ることになるんだから、そのうち慣れるよ。さ、行こ!」
受付に話を通して中に入っていく。
「あ、あなたがウルフくんですね?私は佐藤です。」
「あ、初めまして。佐久間優成です。」
「初めまして。…では、優成くんはこちらへ。海莉さん、会議室で島海さんが待っていますよ」
「わかりました。…優成くん、後でね」
そう声をかけて海莉が歩いていく。…っと、俺はこっちか。
「さて、今日来てもらったのは私との顔合わせと…事務所からあなたに提案したいことがありまして」
「はあ、提案?」
「ええ。…現在、あなたの人気は凄まじい。もうすでに登録者80万人を突破したのはご存知ですか?」
「えっと、今知りました…」
恥ずかしながら。…昨日見た段階では60万人に到達するかどうかだったじゃん!!
「やはりですか。…とは言っても、昨日の夜歌枠しましたよね?それが理由で爆発的に伸びているのです。」
「なるほど…?たしかに昨日見てくれてた人は多かったな…」
「それはさておき、この事務所に所属している人気VTuberがグッズ化されるのはご存知ですか?」
「ええ。知ってます。」
「そのグッズ化、実は第2弾がありまして。早い話、ウルフくんのグッズを出そう!という話が出ております。どうされます?」
え?…ええええええええええええ!?グッズ!?俺が!?
「えっと、俺でいいんです?それ…」
「もちろん。あ、グッズですが売り上げの7割がウルフくん、3割が事務所という分配になります。」
「はあ、いやそこはまぁ良いんですけど…ませっかくの機会だし受けようかな。」
グッズになるなんてそうそうないだろう。知名度をさらにあげるためにもグッズ化はした方が良さそうだし。ただ、俺はまだ新参者だからグッズ買ってくれるほどファンいるかどうかが不安だけど…
「大丈夫です。…コラボグッズなんかもありますしね。具体的には…」
そこで、グッズはだいたいこんなものを用意する、値段はこんな感じです。他になにか希望はありますか?と聞かれていく。アクリルキーホルダーやタオルは無難だな。問題ないんじゃない?ただ色とかだけ俺っぽくしてもらえば…
「それは大丈夫です。しっかりやりますので。…それから、コラボグッズですが…」
ああ、そういやあるんだっけ。
「第2弾はコラボ相手、優成くんが自由に決めていいですよ。グッズになってる人でもなってない人でも。どうします?」
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それではまた次のお話であいましょう




