第263話〜ギリギリ?でも優勝です〜
それではどうぞ
「凄いねウルフくん3000ダメージ超えてるよ!」
「あら〜ほんとだ」
待機画面に帰ってきた。これから順位の発表…の前に、しばらく計算タイムらしい。
「あら〜って……凄いことですわよ?もっと喜んだらどうです?」
実感無いんだよね、3000ダメージって言われても。
そんなにダメージ出すようなことした?みたいな……
「キルが多いもんね〜」
「別に俺だけの力じゃないし…」
俺1人で戦ってるわけじゃない。味方が居るから戦えるのだ。
1人でこのキルなら誇れるかもしれないがそうじゃないからな。
「謙虚ですわねえ」
「たまには「俺に勝てるのは俺だけだっ」みたいなとこあってもいいよ?」
「そんなかっこ悪いのやだ…」
アニメのキャラが言うから成立するのであって現実で言ってる奴がいるとしたらただダサいだけじゃね?
実力が伴ってればいいのだろうが俺はそこまで強くないしね。
「たまには男らしい所を見せてあげなくていいのですか?」
「でもでも、任せろはかっこよかった!」
そ、そうか。そう言ってくれたなら良かった。
「ほんと、めっちゃかっこよかった!しっかり勝ってたしも〜最高!天才!大好き!」
「あ、ありがとう。でも恥ずかしいからその辺に…」
「あの時はまさに漢でしたわね〜」
なんでかりんさんまでそんなこと言うかね…合わせなくていいです!
「……上げないよ?」
「貰いませんわ。要りませんわ」
警戒した声で発言した海莉に対し即座にそう言い放つかりんさん。
そこまで食い気味に言われると流石に傷つき……はしないな。
「ウルフくんかっこいいから寄ってくる女の子はお掃除しなきゃ…」
「あなたの彼女が物騒なことを言ってますわよ、何とかしなさいな」
「俺に言い寄ってくる女の子なんかいないから大丈夫だよボタン…」
言い寄られるほど見た目良くないしそもそもそんなに交流ないし…
定期的に話す女性は精々六花さん位のものだ。それも大抵彼氏の相談なんだけど……
微笑ましいよね、男の子ってどんなの貰ったら嬉しい?とか本気で考えてあげてるの。
「…今は良くても未来は分からないもん。最近色気出てきたし」
「そんなこと…あるのか?」
色気って言われても自分じゃわからんよ。確かに見た目とか気を使うようにはなって来たけど…
「あ、配信閉じてくださいって言われてますわよ」
「閉めてくる!」
「私もですわ」
「りょ〜かいです。……っと、はい。というわけで最終結果の方は運営さんの配信の方で結果発表があるみたいなので概要欄のURLから飛んでください。」
俺も配信を閉じにいく。…俺達は配信終わったあとも結果発表見るけどね?
「ではでは本日はこの辺で…おつかれさまでした〜」
配信終了……っと。あっしまったスパチャ読むの忘れてた……
…コメ読み配信の時にスパチャ読み上げよう。誰から来てたかちゃんとメモ取っておかないとな。
「終わった……」
試合が終わり配信が終わり、全てが終わったことを認識した途端一気に疲れが襲ってきた。
結構集中して頑張ったからかな…知り合いとやってこれなんだから見知らぬ人とやったらどうなったんだろう。
「…配信終わりましたわ」
「私もー」
「こっちも終わった。」
飲み物を飲んですこしゆっくりしていると2人とも配信が終わったらしく帰ってきた。
…2人とも、少し柔らかい声になっている。緊張してたんだろうな。
「何はともあれお疲れ様っ!」
「お疲れ様ですわ」
「おつかれさまー」
ほんとにみんなよく頑張ったよな。…おっ、ちょうど順位の発表みたいだ。
下の方から発表していく感じだが、そこには俺たちの名前はない。
少なくとも10位以内のようだ。良かった…1桁に入ってくれてるといいんだが。
「ほんとに優勝あるのかもしれませんね」
「だと嬉しいな」
「最後頑張ったし行ってくれてると嬉しいな…っ!」
2チームほどにインタビューを行うようで、それが終わったら次は10〜4位の発表。
そこでもまたインタビューがありそれが終わったら3〜1位だそうだ。
正直今回は知ってる人居ないしインタビューは聞き流せばいいかな。
「インタビューとか来るのかな?」
「さあ…来てもおかしくはないと思いますが」
「来たらその時考えよ…」
ゆっくりしてたいから来て欲しくないが来たらきたで嬉しいことなんだよな。
その後も少しゆったりしながら3人で話していると、10〜4位の発表になった。
が、そこでも俺達の名前は出てこない。…つまり、3位以内なのは確定した。
「やった!3位以内だよ!」
「結果残せてよかった〜…」
「深刻そうに言わなくても…でも確かに残せてよかったかも」
これで次も呼んでもらえる…かもしれないし呼んでもらえないかもしれない。
海莉とセットだからじゃなく俺個人で呼んでくれるようになれればいいな。
「…終わったらお話しよっか?」
「えっと…あの、はい。お話します…」
「観念するのが早い…」
逃げようにも逃げ道ないんだもん。寝るから…って言ったら一緒に寝るよね?って言われるし。
諦めた方が早いことだってあるんだよ。
…と、そんなことを言ってたらもう3〜1位の発表だ。
「えー長らくお待たせ致しました。第3位は…こちら!」
そうして3位から発表されていく。とりあえず俺たちではなかった。
そして…2位の発表も、俺たちではなかった。つまり…?
「1位は…この方達!おめでとうございます〜!」
そう言って表示されたのは俺たちの名前。…そうか、優勝できたのかっ!
ポイントを見れば2位とのさは1ポイントしかなくかなりギリギリだったが、優勝できたのか!
よかった〜!!!!!
「やったー!」
「やりましたね!」
それではまた次のお話で会いましょう〜




