第260話〜ラスト試合の前〜
それではどうぞ
「あ、戦ってる戦ってる」
あの後部隊数はさらに減って3部隊。つまり自分たちを除いて2チームしかいない。
そしてその2チームは現在戦っている。…これはチャンスだ。
戦いがちょうど終わりそうな頃に乱入して弱っている敵を倒せる。
回復されないため、体力の量やアーマーの量でいえばこちらの方が有利になるしな。確実に倒しやすくなる。
「まだ待って。もうちょいステイ」
「ステイ…ステイ…」
今いっても確実に仕留められないと判断したのか海莉がそう言った。
いつでも行けるように準備だけ整えて…
「今!」
ちょうど部隊数が2へと減少したタイミングで号令がかかる。
俺は海莉とかりんさんとは別の方向から攻撃することにする。
海莉たちの総攻撃を受け、一人ダウン。先の戦闘で既に1人やられてた敵チームは残り1人。
何とか生き残って回復したいんだろうが残念だったな?
「これで終わり」
上手く近づけたのでショットガンで撃ち抜く。おっと、ジャンプパッドで逃げようとしても無駄だぞ?
距離取られたらスナイパーでうち抜けばいい話なんだから…なっ!
相手が落ちていく所を予想して銃を撃ち、命中させる。
元々瀕死だった上に偶然ヘッドショットだったので敵を倒し切ることが出来た。…つまり
「よ〜し勝った!」
「ナイスですわ!」
「ないす〜」
チャンピオン!キル数も足りてるしこれでポイントはMAXのはず。
これで結構上位の方に順位行ったんじゃないか?
「ウルフくんつよーい!」
「そうか?」
俺よりダメージ出してる人はいるしそんなにだろ。
「1対3返しといてよく言いますわ…」
「運良かっただけです」
「ほら、相手の人いじめないでくださいってチャットしてるよ?」
待機時間中は全体にチャットが打てるのだが、俺が倒した人達がウルフさんいじめないでくださいって言ってきてる。
いや、いじめたつもりは無いんだけど……最初に近付いてきたのそっちだし。
俺はただ返り討ちにしただけで、あの段階で人いるじゃん逃げよって逃げてくれてたら追うつもりは無かったんだけどな。
「嫌ですって言ってます…っと」
「捏造しないで?」
「ボコボコにしてやるですわ…っと」
「そこ、便乗しない」
ほんとにチャットはしてないからいいんだけど。かと言って無視は良くないよなぁ…名指しだし。
んー……無理ですにしとこう。
「でもウルフくんも無理ですって言ってるじゃん」
「手加減してる余裕なんてないし」
「あーあ、相手泣いてますわよ?」
そんな事言われても俺にはどうしようも出来ん。全部こっちに来たあの人達が悪いってことで…文句があるなら俺を倒してからにしてもらって。
「あと3試合?ですの?」
「みたいだね。」
3試合って言うと結構長そうだが、さっきのを見てる感じすぐ終わりそうだよな。
さっきが早すぎたって言われればそうなんだが…
「早速3試合目みたいだねっ」
「今度は敵来ないか確認しつつアイテム集めましょうか」
「だな、心臓に悪いから正直来ないで欲しい」
それでもキルポを狙って漁夫ったりすることにはなるんだろうけど…
まぁ3試合目も頑張りましょう。
「ん〜最後にいっぱいキルすれば行けるかなぁ」
あれから3、4、5試合目が終わったが全部順位は5位〜6位となってしまっている。
そこそこにキルポを稼いではいるものの現在1位のチームのポイントが高く少し差が開いてしまっている状況だ
逆転するには最後の試合でいっぱいキルを取る+1位になればわんちゃん…と言ったところか。
となれば必然的に最後はキルムーブをしなければ行けないんだが、正直この人達相手にキルムーブができるほど上手いかと言われれば微妙なんだよな。
とはいえ勝つためにやるしかないならやるしかないと言うことなのだ。
武器構成もスナイパーはやめて近距離強めのアサルトにしようかな。
「漁夫にさえ気を付ければ行けると思うんだよね。…こっち圧倒的なフィジカルを誇る狼がいるから」
「がんばるます…」
「緊張しすぎて日本語変ですわよー」
緊張もするさ。負けてる原因は俺にもあるんだから。
敵チームを倒しても漁夫を捌ききれずにやられてしまうのが多いんだよね。1つ捌いても無限にやってくるから仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれないが。
まぁキルムーブするなら漁夫は避けられない。今まで以上に集中して全部返し切る必要がある。
「無理はしないで、ちゃんと引きつつキル狙って見よう」
「了解」
「頑張りますわ」
ラストの試合、これで勝てるかどうかが決まる。
…頑張ろう。全員倒す勢いで!
無双開始
それではまた次のお話で会いましょう〜




