第231話〜意外と辛辣な狼〜
それではどうぞ
「お外に散歩できるんだ…あり。」
とりあえず夜になるまではできることをして時間を潰そうと言うことで……お散歩させてみる。
メッセージとか裏垢のを見る感じ本当にメンヘラっぽいしこれでちょっとマシにならないかな?という期待も無くはない。
「お〜…メッセージだ。」
やっぱり場面が切り替わる前?後?位にメッセージが来るんだな。
適当に返信しておく。そんなに意味のありそうなものとも思えんが…あれ?
「ん?…なんか勝手に…あらあらあら」
なんか勝手にベッドシーンが始まったんだが…これ強制イベントなの??
引越して初めてやることやってきたじゃないんだよ、お茶の間で見てる皆様に配慮しなさいよ。
「えっちな配信?…えろ堕ちしたら終わりだぞお前、やめとけやめとけ。」
さすがにこれはちょっとダメだろう。…好感度も下がるみたいだし。
こんなのまでできるとかこのゲーム無駄に関係度高いな。そりゃ人気になるわけだ……
「とりあえず今日はゲーム配信だな…」
じぇるばんは!と言いながら画面では配信がスタートされた。
挨拶どうにかならんのかなぁ……まぁいいや。余計なコメントは消しつつスパチャを取り上げて…
「…このゲーム昔過ぎてサービス終了してた?あほか確認しとけや…」
ゲーム配信でゲーム出来ないなんて馬鹿なことある?こいつ配信者向いてなさすぎるだろ。
・めっちゃ言うじゃん
・意外に辛辣な狼
「いやそりゃそうじゃない?事前に確認しとけよって思わんか?有り得んわ〜……」
ともあれゲーム配信自体は失敗だな。余裕で大失敗だ。
でもなんかチャンネル登録者凄い伸びてるけど……なんで?なんでこんなんで伸びるの??
「もうちょっとで収益化達成できるじゃん。家賃払えって来てたから良かったな。」
おかげ様でなんとかなりそうだが……今日は寝るしかないか?寝るしかなさそ。おやすみみんな。
そこからの流れはだいたい同じだった。3日目にして案件が来たのですぐさまクリアし、4日目も特に何も無く普通に……と言った感じだ。
そして5日目の段階。……ついにエンディングの日が来てしまう。
その日はお薬が飲めるらしいから飲ませようね〜みたいなことを前日に話していたから飲ませて、あとは普通に過ごさせようとしたら……
「あ、好感度100になった」
好感度を100にしてしまった。…なぜしてしまった、なのかと言えば……
「え、なにこれなにこれなにこれ!?」
メンヘラってこう言うことなんだなと思わされるぐらいメッセージで埋めつくされていく。そしてエンディングが表示されて、はい終了。
「は〜…好感度あげきるとだめなんだ。上手いこと下げていかなきゃダメなのか。てか普通に怖いわ」
一瞬ウイルスか何かにかかったかと思ったわ……あーこわ。
まぁみんながやる理由も少しはわかったような気が……うん、わからん。
「とまぁこんな感じでした。終わり!」
・もう終わり?
・もう1回やらない?
「やらないかな〜、初見が1番面白いと思うわこのゲーム。」
そういうわけだ。断じてメンヘラが無理だからとかそういうことではない。
・なるほど
・それはそうかも
「まぁ十分楽しんだしこの辺でいいでしょう。とはいえ配信を終わるには少し早いからスパチャでも読みながら雑談しましょうかね」
そう言うと一気にコメントが流れてきた。…コメントを読んでもらえると思ったのだろう。聞きたいこともある感じだろうけど。
「ん〜と…バレンタイン貰えましたか?バッチリ貰えましたよ。美味しかった」
・デート何したんですか?
「デート何したんですか?…あれ、俺デートしたなんて言ったっけ?まぁいいや。猫カフェで遊びましたね。可愛かった〜ボタン」
・猫見ろよ
・ボタンの方なんだ?w
「猫も可愛かったな〜、あれは欲しくなるねぇ。飼わないけど…」
・可愛かった〜(ボタン)
・現実思考なのいいなぁ
「まぁ大変だからね〜生き物飼うって。」
夢だけ見てても仕方ないわけですよ。……あとこれは別に言わないが、しばらく2人がいいからな。
・うちのダイヤどうだった?
「うちのダイヤどうだった?…そちらさんのダイヤくんはね、声に違わずイケメンでしたね。」
・六花ちゃんは?
「六花さんはちょっとしか見てないけど可愛い部類だったね。あれモテるんじゃない?」
まぁ声からして可愛かったもんな。……それから一応、友達だからと言うことでチョコも頂いてる。
美味しかったですよ普通に。お礼もちゃんと伝えてある。
・めっちゃモテた!(六花さん)
「モテたんだ!?wwやっぱりそうだよね?良かったねぇダイヤくん」
自分で言うんだね……まぁモテるだろうなぁ。あの容姿であの性格でしょ?めっちゃ人気者だと思うけど…
・ボタンもモテたんじゃないの?
「モテた…と思うよ。あんまり聞きたくないから聞いてないけど…」
そろそろ過去のこと、聞いてもいいのかなぁ。ただ過去の男との経験とか聞きたくないから聞いてなかった。
・素直w
・めっちゃモテた!(ボタン)
「めっちゃモテた…まぁそうでしょうね。」
海莉がモテてないなら世の男性は見る目がなさすぎるからな。……ああ、考えたくない。
・可愛いなぁ〜(ボタン)
可愛いじゃないわ。
考えたくないので話題を強引に転換して、スパチャを読んで終わる。
「はい、終わり!お疲れ!」
断じてからかわれたからじゃないからな。時間だから終わるだけだから!恥ずかしくないから!
くうぅぅぅぅ!!
それではまた次のお話で会いましょう〜




