第218話〜チョコ作りは戦争〜
それではどうぞ
「う〜さむ…」
朝早くから外にでてきたはいいものの、こんなに寒いと外に出たくなくなるね。…って引きこもりみたいな思考を…
「お、あれか?」
何となくそれっぽい男の子が歩いてきた。…予め送られてきた写真を目に通して…ああ、あの子だな。
「ウルフくん?」
「あ、やっぱりあってた。」
間違いないな、声もそうだ。
「大野大也、よろしくね」
「佐久間優成です、よろしく。…って、え?ダイヤくんって本名…?」
「そうそうそう。六花にも驚かれたけど」
そりゃ驚くでしょうよ。本名そのまま使う人なんて居ないでしょ??
「危なくないの?それ」
「これぐらいなら問題無いない。んじゃあ行きますか」
実際問題ないんだろうけど…思い切ったことしたなぁ。
「…で、どこ行くの?」
「とりあえず早いけどご飯とか」
確かにまだ早いけど…まぁモーニングってことで食べに行くかぁ。
「個室って便利だよね」
いつもの所に来た。個室は個人的な事も配信のことも話せるからちょうどいい場所だ。ここご飯も美味しいしね。
「…急にごめんね、うちの六花のせいで」
「いやいや、ボタンも楽しみにしてたし」
まあ流石に1人だと何もすることなくて途方に暮れることになったと思うけど……
女の子同士じゃないと話せないこともあるだろうし俺の方は特に問題ない。
「六花も女の子で楽しんでくるから!!って言ってたね。あと配信するとか?」
「言ってた言ってた。どこまで言っていい?って聞かれた…」
「あ、それわしも。任せるって言ったけど」
ほんとにダメなとこは言わないしね〜……あ、来た来た。
じゃあまず腹ごしらえしてその後どっか行きますかね!
「カラオケとかね?」
「あ〜いいかも!」
感動だ…男の子の友達とこうして遊べるなんて。
「そんなに…?」
「友達居ないんよ…」
「じゃあその分今日は楽しもうよ。…にしても意外と家近いんだね」
それは確かに…すぐに集まれる距離なんだな。意外と世界って狭いなぁ。
そういや…今頃何してるんだろうか、海莉達。
「案外愚痴で盛り上がってたりして」
「有り得そうだな〜」
一方その頃 海莉側
「いらっしゃい!」
「お邪魔しま〜す!あ、これ良かったら」
「わ〜ありがと!」
受け取ったものは後でしまっとくとして…
「ようこそ六花ちゃん!上がって上がって」
「外観見て思いましたけど、広いですね…」
「これでも配信専用の家を作るために引っ越そうかと思ったぐらいだよ。」
今の家はとりあえず一人暮らしと気兼ねなく配信できるようにって感じにはしてあるけど、専用の配信部屋とかガッツリお金かけて作ろうかと思ったことはある。
料理配信とか考えてた時代かな〜…Vがやれることじゃないから諦めたし今ので足りてるんだけど。
「お〜…オシャレ!」
「そう言って貰えると嬉しいかな。…準備は出来てるよ!」
「じゃあ早速作りましょう!材料はこちらに!」
「さっすが!」
よ〜し、じゃあ作り始めようかなっ!試行錯誤の時間…これはある程度何を作るか決めてるから大丈夫だけどあんまり時間をかけると配信の時間が減るし。
2人での女子会の時間も減る…これが一番の問題!
話したいこといっぱいあるんだから。
「私もです!同棲とか聞いてみたいこともあって!…愚痴もありますけどそれは後でにします!」
「やりながらお喋りしよっか、なんでもいいよ!」
そう言いながら、目の前のものに目を向ける。
さ〜て、美味しく仕上げるための…戦争だ〜!
それではまた次のお話で会いましょう〜




