第214話〜え?…え??え?
それではどうぞ
「そろそろ終わりますか〜」
「時間も時間だもんね〜……名残惜しい」
名残惜しいのはよく分かるけど、そろそろ終わんないとな。
お互いに2人の時間は大切にしないと行けないし。配信は大事だが恋人はもっと大切にしないといけない。
仕事の方が大事なの!?なんて言われないようにしなきゃ行けないわけですよ。聞いてますか世の中の男性諸君?……言われることないと思うけど。
「じゃあここで解散にしましょう!お疲れ様でした〜!」
「お疲れ様でした〜!」
「おつおつー!」
「おつかれさま〜」
「…はい、通話を切りました。スパチャだけ読んで終わろうかなと思います!」
コメントは読んだが、流石にスパチャは読まなかったからな。
せっかくしてくれたんだから読んであげないと。結構溜まってるしな。
「え〜、まりかさん300円ありがとう。レモンさん1000円ありがとう。」
その後もひたすらと読み続けて(スパチャ読みを始めると自分も呼んでもらえる!って言う人が投げまくるからなかなか終わらない)ようやく終わらせて配信を終了する。
「毎回最後のスパチャ読みが大変だ…」
嬉しいんだけどな。最後はお祭りの如くスパチャ祭りになる。
……にしても、今日は楽しかったせいか1人になると急に寂しくなるな。
こんな感覚を味わえるのも初めてだけど…
…っと。まだお風呂にも入っていないし、あんまりぼ〜っとしてないで入らないとな。
海莉が待ってる……いや、一緒に入る訳じゃなくてだな?先に入ることになってるからさっさと入ってあげないとな。
「…一緒に入る?」
「うわぁ!?…ビックリした。」
お、脅かさないでくれ……って海莉!?なんでここに?
「お風呂準備できてるよ〜って呼びに行こうとしただけだよ?…で、一緒に入る?」
「え〜っと……」
「そこで断るって言わないあたり素直だよねぇ。…私は別に、いいんだよ?」
海莉は受け入れてくれるのはわかってるんだ。…ただ、俺の問題というか…
「そんなに先を見なくてもいいのに……子供のことまで考えなくていーの。そこまでは今する必要ないし」
…さっきの配信でチラッと子供が欲しいかどうかみたいな話題出てたじゃん?だからちょっと、ね。
「親になるのが怖い?」
「うん。…結局、俺もあれの血を引いてるわけだからね。」
ああはなりたくないしなるつもりもない。…けど、ああなってしまったら……なんて言う恐怖がある。
結局血を引いてるわけだからな。似るんじゃないか……っていう考えがな。
「優成くんってさ」
「うん?」
「馬鹿?」
………え?…え?いや、え?なんで罵倒されたの俺??
「なるわけないでしょ。こんなに……こんなに優しくて、誰かを想うことが出来る君が。」
そう言って、優しく俺を抱きしめる。…海莉。
「もし不安なら私がそんなことさせないから。」
「海莉……ありがとう。」
「ほんと、心配性なんだから。…じゃあ、お風呂入ろっか?」
「心配性でごめんな……うん、わかっ…え?」
ほら、早くしないとお湯冷めちゃうよ〜と言って俺の手を取って風呂場まで連行する海莉。
…え??え〜っと…え?
「あの海莉…まさか一緒に」
「世の恋人だってしてるから普通だよ普通」
「そういう問題じゃ…」
ああ、これはダメなやつだ。大人しく受け入れるしかない。
でもせめて隠して欲しいんだけど……流石に、その、ほら。な?
「タオル巻いて入るのは良くないんだよ?」
「水着とか…」
「今の体型にあるもの持ってないから」
あ〜、うん。もしかしなくても逃げ場ないよね…そうだよね。
「私の気持ちも大事にしてくれる…よね?」
「わかった。……うん、海莉の気持ちが1番大事だ。」
そもそも恥ずかしいだけで嫌ではない。めっちゃ恥ずかしいだけで。
「そうと決まれば〜!さっはいろ!お風呂を広くしておいた昔の自分に感謝だね〜」
確かにこの家のお風呂は広めだけど…って、分かったから引っ張るな!自分で行くよ!
…でも流石に着替えるとこは別にしない?
「…仕方ないなぁ。私待ってるから先入って?」
「ありがとう、とても助かる…とても。」
結局見るんだから一緒じゃね?と思わないでもないが……うん。気にしたら負けだ。
これから毎日一緒に入れるねとか聞こえるけど、気にしたら負けだ!!!
それではまた次のお話で会いましょう〜




