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第207話〜報告動画〜

それではどうぞ

「いよいよだね〜!」


何がいよいよなのか?その答えは簡単。……今日はリスナーに公表する日なのだ。

両方同時に公開するわけだからな。リスナーの人たちの中では憶測が飛び交っている。


その中でも飛び切り多いのが結婚報告予想だな。…いやまぁ、付き合いたてなので結婚はまだなのだが方向はあってるよな。


もちろんそれが嫌だって人もいるけど…そこら辺は仕方がない部分だ。ただ俺が暴言を言われる程度なら受け入れると決めている。実害が出るようなら容赦はしないが。


「んー、いっそ引っ越す?セキュリティのしっかりしてるマンションとかに」


「それが確実なんだろうけど思い入れあるし……そもそもそういう所高いし」


「…1度、お互いが稼いでる額をちゃんと把握しよっか?後でお話しようね?」


おっと、よく分からんけどなんか怒ってる。…えっと何かしました?


「優成くんが思ってるほど払えないようなものじゃないって話。それは後で言うとして…始まるよ」


あら、ほんとだ。


「皆さん、こんばんは。独野ウルフです。今日はみなさんに報告があって動画を回しております。」


始まった。今聞くとほんとに緊張した声だなぁ、俺の声。


「いつになく真面目だね?」


「それは海莉もじゃない?」


大事な報告動画なんだから真面目なのはむしろ当たり前の話で。海莉だってそうだし。

こんなところでふざけてたらそれこそやばい人だ。


「え〜っと、私ウルフはこの度蒼花ボタンさんとお付き合いさせて頂くことになりました」


・まじか!?

・おめでとぉぉぉ!!!!!

・予想当たった〜!!!


お〜、コメント欄も盛り上がってるねぇ良くも悪くも。

やっぱりこのプレミア公開機能は反応が直にわかるから有難いな。


ちなみに海莉の方のコメント欄だが


・おめでとう!!

・前から好きそうだったもんね!!おめでとう!!

・悲しいけど幸せならいいです!おめでとうございます!


みたいな感じになっている。


「私自身恋愛とは無縁な人生を送ってきましたがボタンと出会って、気付いたら彼女の良さに惹かれておりました。…これからより一層、彼女を幸せにするとともに皆様にも楽しんで頂けるよう努力して参りますので応援の程よろしくお願い致します!」


あまり長々と話すのは得意じゃないからな、短めにした。

長い話は雑談放送の時にしたいしな。その辺は海莉も一緒の考えのようだ。


「幸せにしてくれるんだ〜?」


「好きな人ですから。」


にやにやしてくる海莉にそう返しているうちに、動画は終盤に差し掛かる。というか終わってる。

いくらなんでも短いかな〜と思ったが報告動画だからな、尺とる必要ないし。


「……終わったな。」


「私の方はもうちょい続くけどもう終わるね。思ったより反対意見はないね?」


「確かにそれはね。おめでとうって言って貰えるのは素直に嬉しいよな。」


祝ってもらえるととても楽しいが、その分次の配信で色々と聞かれそうで……

ま、それは楽しみだからいいんだけど。


「ね、見て。色んな人がおめでとうって言ってくれてるよ?」


そう言って見せてきたのは、リスナーさんの反応ではなく有名人……つまりVTuberの人達だ。みんな祝ってくれてる。


特にダイヤくん。死ぬほどお祝いしてるぞこの子、テンション高すぎるよね??落ち着いて??


「ダイヤくんが報告した時の優成くんもこんなんだったよ?」


「……そんなことは無い。もっと落ち着いてたはずだ。」


「見せてあげよっか?スクショあるよ?」


なんであんの!?なんで!?


「他にも色々撮ってるよ?…好きだったんだもん」


「悶え死にさせる気か??」


そんな顔で見ないで……ダメ、死ぬ。今日死ぬ……可愛い。


「ほら、さっさと呟いて?」


「ああ、忘れてた。」


SNSの方にも呟いておく。報告はこっちでも…っと。


今から明日の配信が楽しみだな、これだけ祝ってもらえるとは思ってなかった。


「…絶対幸せにするから」


「優成くんも幸せになるんだよ?それが私の幸せだから」


「俺は今最高に幸せだよ」


そう言ってそっと海莉の唇を奪う。……ただし恥ずかしくなってその後悶えたことは内緒としておく。


…内緒だからな!


それではまた次のお話で会いましょう〜

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