第200話〜海莉も俺を〜
それではどうぞ
「〜だよ!レアだよ!」
「それ俺にみせて大丈夫なの?」
今日はたまにある海莉のいない日。いつもは帰る時以外、海莉から連絡来ることはないんだが…今日は珍しく連絡が来た。
それも誰かもわからん男の人と撮った写真が。海莉曰くめっちゃ有名なVTuberらしい。俺も名前聞いてびっくりしたわ。
「悪用しないでしょ?」
「そりゃまぁ。」
「じゃあ問題無し!」
ほんとにいいのかね…まぁ海莉のことだ、ちゃんと許可取ってるだろうし問題は無いだろう。
「それとも嫉妬でもした?」
いやいや、これぐらいで嫉妬はしないよ。…写真撮ってるだけだぞ?
それ以上があるなら嫉妬するけど…
「別に……」
「そっか…期待したのに。」
「写真撮ってるだけなのに嫉妬はしないよ…」
「ふ〜ん。ちなみに、この後一緒にご飯だし色々一緒に回るよ?」
…ふむ。まぁ大人だしそういうこともあるんじゃないの?
「他の人からはデートだって思われるかもね?」
……確かに、この男の人はかっこいいしそう思われるかもだが。
「…女の子って相手の好意に敏感なんだよ?私どっか行っちゃうかもな〜」
…………………………………………………
「あ、そろそろ時間だから戻るね!また後で〜」
「お、おう。また後で…」
………最後の文、そういう意味だよな?相手の人は海莉に好意があるのか……まぁそれ自体は理解出来る。
どっか行っちゃうかもな〜って何…?いや…認めたくねえぇぇえええ。…確かに見直してみると仲がめちゃくちゃ良いように見えるし。
他の人と海莉が…か。嫌だなそれ。自分でも心が狭いとは思うのだが…やっぱり誰にも渡したくないし俺が幸せにしたい。
そりゃ海莉の幸せが1番だからそうなったら諦めるが、そうならないように動かなきゃな。
でも振られたら?って考えると…な。とても怖い。めっちゃ怖い。生きていけないぐらい怖い。でも…
「あっ…」
編集ソフトがエラー出した。…なんで?そんなエラー出すような使い方したか?
まぁいい。気を取り直して作業再開だ。
…にしても、海莉はなんでわざわざこんな事を。俺を動揺させたり嫉妬させたいのか?だとしたらそれはなんで……まさか。
海莉が俺を?そうだと嬉しいけど……けど!っ
「ああっくそ…」
そして画面に映るエラーの文字。一旦休憩しようか、落ち着かないし…はあ。海莉め……
一方その頃、海莉側では…
「ふふふっ」
「どうかされました?」
「動揺してる姿が目に浮かぶな〜と。いい加減気付いてくれれば良いんですけどね」
「あぁ……大変ですね。」
優成くん、多分今頃頭抱えてるんだろうなぁ。そのためにわざわざ送ったんだけど。
いい加減私の気持ちに……気付いてくれるといいんだけどな。
「まさかボタンさんがそんな顔をするとは…意外でしたね」
「そんなにおかしな顔してます?」
「恋する女の子の顔をしてましたよ。…それは別に好きにして頂いて構いませんが。早く仕事を終わらせましょう。」
恋する女の子の顔って……恥ずかしい。ともかく、確かに早く終わらせたい。ただでさえ少し頭が痛いし帰って優成くんに撫でてもらわないと。
「そうですね、早く帰りたいし…」
「素直ですなぁ。そんなに好きですか、彼。」
「好きですよ、大好きです。」
ストレートにそう答える。
「嫌われたくないとか思わない感じですか?私は結構そういうの考えるタイプなんですけど」
「それは少しは考えますけど、そもそも逃がすつもりないので……」
そんな心配はいらないってわかるし。むしろやる気にさせるまでが大変。
「なるほど。」
「さ、行きましょう。時間はありませんからね」
そう言って事務所に戻っていく。今日である程度用事を終わらせちゃわないとね!いざと言う時のために…!!
それではまた次のお話で会いましょう〜




