第196話〜ホラゲー〜
それではどうぞ
「……………」
「え〜っと…海莉さん?」
「優成くんのばか」
え…っと、ごめんね?うん、ほんとに…悪いとは思ってます、はい。
「ああやって私をいじめて楽しい?」
「可愛いとは思ったけど…ごめん、もうしないから」
「怒ってはないよ。…ただちょっとびっくりしただけだから。」
「…嫌じゃない?」
「嫌なわけないじゃん。…嫌じゃないから、ドキドキしたんだし」
…っ、そういうこと言われると弱い。もしかして…って思ってしまう。
「それはそれとして……ゆうせいくん」
「ひゃっ!」
み、耳元でいきなり…!変な声出たじゃないか!
「……頑張る君が好きだから、もっと頑張ってね?その方が私も嬉しいし…」
………っ、あの、そういうの言うのはちょっと……反則じゃないかな?
「ちなみに、明日は私居ないからね。夜には帰って来れると思うけど」
「あ、ああ。事務所?」
「みたいな感じかな。スタジオで録画らしいよ」
なるほどな…まぁ、気をつけて行ってらっしゃいだな。
「だから今のうちに…明日の分の優成くんを補給しておこうと思って」
「…だからさっきあんなことを?」
「あれは仕返しです。…もっとやってあげようか?」
「勘弁してください……」
ただでさえこの状態でも恥ずかしいのに…海莉の言葉は破壊力があるの、自覚した方がいいと思う。
「自覚した上でやってるよ?」
「一番タチ悪いよそれ」
「こんばんは〜」
「こんばんは〜」
・こんばんは!
・ばんわ〜!
・ホラゲーは珍しい
俺達2人が落ち着いた辺りでいい時間だったので、配信を開始した。
「今回はホラゲーやっていきましょう。ボタンがやりたいらしいので」
「凄いやりたくなった……やりたくなったけど、もう既にちょっと後悔してる」
「じゃあやめる?」
「やだ!やる〜!」
駄々こないで、子供か……可愛いからいいけど。
「なんかアプデしたの?」
「らしいね。呪いのアイテムが追加されて…ゴーストの種類が増えたのかな?あと難易度が1つ増えたらしい」
「え〜呪いのアイテムとか怖い。」
「まぁまぁ楽しんでいきましょうよ。リハビリだし1番上は無しで……」
アイテム選んで場所選んで…狭めのとこにしよう、俺も久しぶりだしな。
「はーい行きましょう。あちなみに今回はVCありです。ゲーム内の奴だけじゃないパターンね」
ゲーム内のVCだけでもいい気はするが、海莉がこれがいいと言うのでそうした。
「よ〜し始めましょう。…ルーム特定しつつ呪いのアイテム探すのがいいのかな?」
・そう!
・強制ハントになるようなやつばかりだから気を付けてねー!
「うぇ〜そうなんだ、気を付けよう。じゃあ…行きますよボタン。準備して。」
「は〜い。…ちゃんと守ってねウルフくん!」
「善処はするわ……」
久しぶりにやるからなぁ…とはいえ、海莉をあまり怖がらせる訳にも行かないし危険なことは全部俺がやろう。
かっこいいとこを見せるチャンス…でもあるだろうし。
それではまた次のお話で会いましょう〜




