第194話〜ケーキ〜
それではどうぞ
「ホラゲーがしたい!」
「おお、いきなりだな……」
いやまぁ、やりたくなるのは仕方ないけどな。やればいいんじゃないの?
「む〜……一緒にやろうって言ってくれないんだ…女の子を放っておくんだ…」
「いややるのはいいけど…苦手じゃなかった?」
「苦手じゃないけど…ほら、ちょっと怖いけどやりたいじゃん。…だめ?」
そんな上目遣いで言わんでもしてあげるよ?…じゃあ何か適当なホラゲーでも見繕っておくか。
「前やったやつでいいよ?」
「…大丈夫?もっと緩いのじゃなくて」
あれ、結構怖いと思うんだけど……ほんとに大丈夫か?
「大丈夫だもん!」
「…そっか。じゃあそれにしよっか。」
「なんだろう、優成くんの目がもの凄く優しい……」
気のせい気のせい、強がる海莉が可愛いな〜と思っただけだし。
「…何かあった?」
「いや?何にも?」
「そう?…おかしいな、あんなに優しい目の優成くんみたこと無いんだけど……」
何か海莉が言ってるが置いといて、たしかアプデされたし色々調べないとな…
「そういや海莉、お化け屋敷とかは?」
「……行きたくない。連れていくなんて言ったら1ヶ月口聞かない。」
「いやいや無理して連れていかないよ……純粋に気になっただけだから。ごめんね?」
嫌がることを無理にしないって、小学生じゃないんだからさ。
じゃあ海莉がやる気に満ちてる間にやろっか。
「やったっ。…あとはベッドに入り込むだけ」
「そこ!聞こえてるぞ!」
聞こえないように言え!…ってまさかそれが目的じゃないだろうな!?
「ちょっとだけあるけど、でもホラゲーがしたいって言うのはそうだよ!」
「あるのか、素直だな…。まぁいいけど…」
俺は今のこの状態で海莉が隣に寝てて果たして気持ちが大丈夫なのかという疑問はあるが…ほぼ確実にダメだろうとは思ってるけど、それはそれとして。
「じゃあそれまでに全部終わらせないとな。終わったらあと寝るだけの方がいい?」
「うん、ちょっと遅めの時間にやりたいし…まず編集しないとだし。」
「話してる場合じゃないだろ……」
「優成くんとお話したい…」
その気持ちは嬉しいけど終わってからにしなさい。今日出す予定でしょそれ?
「む〜……」
「ケーキでも買ってきてあげるから頑張って…」
「ケーキ!がんばるぅ!!」
ケーキでもやる気出してくれるのか。可愛いな。じゃなくて!
じゃあケーキ買ってきますか。ちょうど駅前のお店気になってたんだよな、オシャレだし。
写真映えするのってなんの利点があるんだ?って思ってたけど俺らの立場だとつぶやけるからいいよね。
というわけで……
「じゃあ行ってくるわ」
「気を付けてねー!」
はいはい。…ちょっと遠目だけど海莉の為だしな。
それではまた次のお話で会いましょう〜




