第188話〜覚悟を決めろ〜
それではどうぞ
「…全く、酷くありませんの?」
「ほんとにすみませんでした……」
よりによってかりんさんを忘れてしまうとは。誰か忘れてる気がするんだよな〜って思ってたんだが……
「まあいいですわ。私は優しいので許してあげますが、次からはちゃんと忘れないようにしてくださいませ」
「忘れません……」
最近かりんさんの名前すら聞いてなかったからなぁ……忘れないようにしよう。
そういやクリスマスの配信にも居なかったし…まぁあれを企画したのは俺じゃないし、仲良く無かったんだろう。
「はあ…」
「どうしたの?何かあった?」
「いや、実は……」
「あ〜……わたしもわすれてた。」
海莉も??…珍しいな、海莉はあんまりそういうの忘れないよね?
「普段は忘れないんだけどねぇ……また忘れない内に送っておこっと。」
海莉が忘れるぐらいなんだから、俺が忘れてても仕方ないよな!!
はい、すみませんでした。俺も忘れないようにしよっと……
「そういえば初配信いつにするの?」
あ〜初配信……決めてなかったな。今日ぐらいはゆっくりしてもいいかなとは思ってるが、明日あたりにはしようと思ってたな。
「ふ〜ん…」
「どうかしたのか?」
「んーん、被んないようにしなきゃだめかな〜と思って。それにほら、お正月何してたかとか聞かれるだろうしさ」
確かに…海莉と居ました!過ごしました!っていうのは簡単だけど…
流石にそれを言うのはやばい…か?
「まぁ、海莉の事に触れないように上手く話すか。」
「む〜……私の事話してくれてもいいのに。あんなことやこんなことしましたって言っていいのに…」
そんな危ないこと(?)は何もしてないし、ファンから叩かれるって何回言えばいいんだ……
「そんなにリスナーが大事?」
「当たり前だろ。リスナーがいてこその職業なんだから」
「…私より?」
「それは海莉の方が大事だけど……」
「じゃあいいじゃん。…駄目なの?私とそう見られるのは嫌なの?」
嫌ではないけど……今日の海莉、やけに押しが強いな。
本当ならリスナーにこういうことを言うのは反対なんだけど…反対すると良くないことになりそうだ。
ここは諦めて叩かれるとしようか。叩かれるにしろ俺一人だろうしな…我慢すればいいだけだ。
「はぁ…分かったよ。」
「やったあ〜!!!ありがとう優成くん〜!」
「急にくっつかないで、びっくりするだろ。…分かった、わかったから。」
宥めようとするが、それでも力を緩めてくれない海莉。…困ったなぁ。
「別に逃げたりしないのに…」
「優成くんはすぐ逃げるもん。逃がさないようにしなきゃダメだから…!」
「…少なくとも今は逃げないから、ね?」
「…これも言っちゃおうかな?」
「それだけはやめてください。」
…明日、覚悟を決めないと行けないな。まぁでも、俺はこれでも叩かれ慣れてる方だ。
よーしこい。全部受け止めてやる!
それではまた次のお話で会いましょう〜




