第18話〜確信犯?〜
それではどうぞ〜
「こんばんは〜!」
始まった。ボタンのLIVE配信を目の前で見るのは初めてだ。…普通は目の前で見れない分、俺は運がいいんだけどさ。
…っと、声や音は絶対出さないようにしないと。バレたらやばい事になる。
「みんなさっきまで何してた?」
【コメント欄】
・ウルフのLIVE配信見てた
・ご飯食べてた
・待機してた
「ウルフくんいいよね!私も見てたよ〜。相変わらず上手いよね」
【コメント欄】
・いたのか
・さすがウルフファン
・ボタンちゃんまでもファンにするとは……おのれ
「もうファンよ私。声も聞いてて落ち着くしゲームのプレイも上手い雑談楽しいしで隙がないよね!」
他にもこういうところがね〜と実に楽しそうに話しているのを横で聞く本人。こうして褒めてもらえるのはかなりありがたいが、横で俺聞いてるんだよな…
【コメント欄】
・ウルフこれ聞いてどう思ってるんだろう
・悶えてそう
・コメント欄に出てこないからきっといない
・居ないに違いないから言いまくろううん
いるんだよね。…たしかにコメントはしてないけど、いるんだよね。あ、ちらっとこっちみた。めっちゃ小悪魔な笑み浮かべてやがる……
さっさと話を変えて欲しかったので、コメントに打ち込もうかと思ったけどそれより前にボタンが別の話題に入ってくれた。…助かった。
「あ、それはそうと今度私のグッズが出るかもしれないから出たらみんな買ってね!」
そうなのか、知らなかった。なんでも事務所に所属している有名VTuber数人にグッズ化が持ちかけられているようで。当然ボタンにもその話が来たらしい。
受ける方向で話を進めてるから、何か問題が起きたとかがない限りはグッズになるのがほぼ確定だそうだ。マネージャーが話していいって許可したらしいから事務所としてもほぼ確定なんだな〜。
あれ?…そういえば俺のマネージャー誰なんだ?事務所に入った人にはマネージャーがつくらしいけどなんにも知らないんだよな。……今度聞いてみるか。
「グッズ何があるかとかはね、まだ話せないんだけどそんなに高くないからみんなよろしくね!」
【コメント欄】
・買います
・全部買う
・写真集待ってます
・VTuberの写真集…?
・ちょっと欲しい
「VTuberの写真集って何wそんなの欲しい??」
あったら買うけどわざわざ作らんだろうな。
「あ、それから来週の水曜日?かな。その日にコラボするからそれもよろしくね」
相手は女性の方とだけ言っておこう!と言ってるのを聞きながら女性のVとコラボか〜、水曜は邪魔しないようにしないとななんて考える。
【コメント欄】
・誰だろう…
・楽しみ!
・何するんだろう…
「楽しみにしててね〜。そういやね、昨日お友達と買い物に行ってきたんだけどね」
「お友達の服とか選んだんだけど凄い楽しかった!ああやって遊べる人全然いなくてはしゃいじゃったな〜」
【コメント欄】
・だから昨日配信なかったのか
・ボタンちゃんのお友達か…
・友達いっぱい居そうなのに居ないの?
「うっ…友達…友達どこ…?」
私リアルでは友達居ないんだよね…なんて前からたまにボタンが口にするけど、割と事実なのかもしれないと顔を見ながらそう思う。
というか、VTuberがリアルではなんて言っていいのか?まあ面白いからみんな受け入れてるけど。
【コメント欄】
・あ、傷えぐられた
・すまんかった
・元気だせって
・みんな友達だよ…
「うう…みんな!私にはみんながいる!」
元気になったようで何より。…海莉が遊びに行きたいところにたまにはついて行くようにしてあげよう。
そんな感じでいつも通り雑談していると、1時間ほど経過していたようで。
「あ、そろそろ今日は終わるね!みんなありがとう!おやすみ〜!」
おつぼた!といってLIVEが終わる。1時間あっという間だったな。
「お疲れ様、海莉。」
「ありがとう。よく声出さずに我慢できたね?」
「わざとですか、俺がいる所であんなに褒めまくってたのはわざとですかそうですか。」
だから別室じゃなくて一緒に居て!なんて言ったんですねと納得する。
「たしかに反応見たかったのはあるけど、でも全部思ったことしか言ってないよ?」
「そりゃありがとう。お礼に今度海莉の行きたいところに行こうね、一緒に行ってあげるから」
友達居ない海莉さんのためにと言うと怒ったようにそれは言わないで〜とポカポカ殴ってくる(全然痛くない)海莉をなだめて、海莉と共に下に降りる。
「…ごめんって海莉、悪かったから。」
「…紅茶入れてくれたら許す…」
「仰せのままに。まえとおなじでいい?」
頷くのを確認して紅茶をいれにかかる。…意外に気に入ってくれてたんだな。
ブクマ、500にそろそろ到達しそうでわたしゃびっくらこいております。皆さんに見ていただけるのはありがたい。
それではまた次のお話であいましょー




