第134話〜お出かけ?いいえデートです〜
それではどうぞ〜
「優成くん〜?」
「………………はっ」
「…大丈夫?疲れ溜まった?」
大丈夫大丈夫と安心させるが、完全に大丈夫とは言いにくい。
海莉にもそう思われたのだろう、めっちゃよしよしされてる。
「慣れないことして疲れたんだね、よしよし。」
「……………」
疲れたというかこんな感じになったのはリレー配信だけでは無いんだけど、言わないようにする。
「今日はゆっくり休まなきゃだめだよ?わかった?」
「わかってる、うん。ゆっくり休む…」
「ん、いい子いい子。よしよし。」
気持ちいい。心が安らいでいく…………じゃなくて。
「も、もう大丈夫。」
「そう?なら良かったけど……」
「部屋、戻っていい?」
一応確認を取る。ダメとは言われないだろうけど一応ね?
「だめ。」
「じゃあ戻るね、おつ…え、だめ?」
まさかのダメと言われた。完全にいいよって言われると思ってたから戻る手前だった。
「ふふっ、冗談だよ。ちょっとからかいたくなっただけ」
「びっくりした。…じゃあ、海莉もお疲れ様。」
「ん、お疲れ様。後でもう1回私の出てたとこ見とくんだよ〜」
……どうやら途中から意識がどっか行ってたのバレてたらしい。
心が穏やかな時にでも見よう。うん……
部屋に戻って寝ようかな…いい時間だし、確かにちょっと疲れたし。
リスナーはともかく見知らぬ他の配信者さんと話すのはそこそこに体力を使うようで、眠気はかなり来てるし。
ん………よくねれそうだ。………すやぁ。
翌朝。ぐっすり寝た俺は何事もなく…そう、いつの間にか隣で海莉が寝てたとかそういうハプニングも何も無く目覚めることが出来た。
久しぶりに平和な朝を迎えることができた気がする、きっと今日はいい一日になるだろう。
多分。
…っと、お腹空いてるしさっさとご飯食べようかな。
「おはよ〜」
「おはよう。やっぱり早いね海莉は。」
「優成くんより早く起きることを意識してるからね。ご飯できてるよ」
「申し訳ないな、させてるの。…ありがと。」
「私がしてあげたいだけだしいーの。ほら、冷めないうちに食べちゃお。」
大変だろうに作ってくれるの、助かるんだよな。……いいお嫁さんになるな海莉は。
「…どうかした?」
「ん?いやなんでも。いただきます。」
「いただきます。……今日は一日何も無いんだっけ?」
「ん、そう。明日は事務所だけど今日は特にない。」
最初はお味噌汁…うん、美味しい。
「………」
「……どうかした?」
なにか言いたそうにしてたので聞いてみる。そんなに言い難いことなのかな。
「お外でデートでもしない?って思って」
「…お出かけかぁ。確かに最近外に出てないしな。」
「やったっ。優成くんとでーと!」
さりげなくお出かけに訂正したのだが直してくれなかった。
「で、どこか行きたい所でもあるの?」
「ん〜…服屋さんぐらい?優成くんとお外で……したいなって思っただけだし」
「悪い、途中よく聞こえなかったんだけど…」
「そんなに重要じゃないから気にしないで!…優成くんに私に似合いそうな服とか選んでもらえたらなとは思ってるんだけど…」
「それぐらいならいいよ。わかった。」
まぁ、日頃お世話になってるしそれぐらいならな。
ただ俺にオシャレの才能はないから期待はしないで欲しい。
「やったあ!」
「…じゃあ、食べたら準備しなきゃな。」
「うん。…ちょっと時間かかるかもだから終わったら声かけるね?」
「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで。」
女の子は準備が大変なんだろうな。一緒に生活しててその辺は思う。髪の手入れとか俺にはそんなめんどくさいこと出来ないし……
「私がやってあげよっか?」
「流石にこの歳にもなってそれはなぁ…」
「…じゃあ、私はやりたいんだけど…だめ?」
…全く。俺が断れない言い方をしてきおって。
「女の子は意外とずるい生き物なのです。優成くんも気を付けるんだよ?」
「気を付けてどうにかなる問題かねぇ…」
「私も気を付けてるけど…。ご馳走様でした」
「ご馳走様でした。片付けやるから休んでていいよ」
「ん、ありがと。その間に準備してくる!」
そう言って海莉は部屋に戻っていく。…さて、俺もさっさと片付けて用意してしまおう。
短かったかもしれん。
それではまた次のお話で会いましょう〜




