第114話〜添い寝?〜
それではどうぞ
「ん…」
「ああ、起きたか?」
海莉が起きた気配がしたからベッドに向かう。
「んう……」
眠そうに目を擦って体を起こす様子を見ながら、おはようと声をかける。
「おはよ……なんじかんねてた?」
「2時間ぐらい?」
「そっか………」
「起きれるか?」
二度寝するにしろ1度起きたのなら部屋に戻って寝て欲しいからな。
「おこして…」
起こしてって言われても。どうすればいいんだ??
「はい、起きてくれ」
何をすればいいのか分からなかったので布団を剥がして無理矢理起こす形をとる。
「はい、これ飲んで」
用意しておいたお茶を飲んでもらう。
「ん…目が覚めてきた」
「そりゃ良かった。二度寝するなら自分の部屋に戻ってくれ」
「ん〜やだ…一緒に寝よ…?」
一緒にって……それでいいのか海莉は。
「良くなきゃ言わないし…」
「それはそうだが……心配とかないのか?」
俺も男の子だから欲はあるし、恥ずかしい気持ちもあるにはあるし…襲うつもりは無いんだけど海莉は心配じゃないのかな?
「優成くんはそんなことするような子じゃないし。……されても嫌じゃないし。だめ…?」
信頼…されてるんだよなこれは。
「わかったよ。でも今回だけね?」
断りきれなかった。あの目はちょっと……うん、反則だと思う。俺には耐えられない。
「やったあ〜。早く、早く優成くん。」
「今から…?…まあいいか。」
ちょっと寝るには早いんだけどな。まぁ海莉が寝たら起こさないようにこっそり抜けて、
「ちゃんと優成くんもここで寝るの。」
「あっ、はい。わかりました」
読まれてた。そりゃもうガッツリと。
「逃げないように………」
逃げないようにしっかりとホールドされた。流石にそれは恥ずかしいんだけど……!?
「ん…落ち着く。」
「そ、そりゃ良かった。」
俺は落ち着きませんけどね、背中に当たる物のせいで。せめてもうちょい離れて欲しい。
「こっち向いてくれないの?」
「流石にそれは…恥ずかしいというか」
「だめ?」
む、う。そんなに悲しそうな声で言われたら……海莉、分かっててやってないか?
「ずるいかなとは思うけど…だって、顔みたいじゃん…」
「…これでいい?」
顔が近い。かなり近い。
「うん。…顔真っ赤」
そりゃ恥ずかしいでしょうよこの状況。俺以外でも真っ赤になるわ。
「ちゃんと魅力あるんだ、私」
「そりゃそうでしょ。」
何を今更言っているんだろうか。魅力無いわけないのに。
「良かった。ちゃんと意識してもらえるんだ…」
「当たり前でしょうよ……」
「ふふ、それがわかっただけ満足かな。……頭撫でてって言ったら撫でてくれる?」
ここまで甘えモードの海莉は初めて見るな。……普段頼ってばっかだし、今日ぐらいはいいか。
「わかった。……こんな感じ?」
「そうそう。ん、気持ちいいよ。」
なるべく優しく撫でるように心がける。気持ちよさそうだからこんな感じであってるんだな。
「ん………」
「眠いか?…おやすみ、海莉。」
目がとろんとし、眠そうだったのでおやすみと声をかける。
しばらく撫で続けていたが、海莉が完全に寝たことを確認したのでやめる。
「安心しきったような顔して……」
俺の心が安らぐのはあるし可愛いが…少しだけ心臓に悪い。
「……寝れるかな、俺。」
果たして今日寝れるのだろうか?やれるだけやって見るか……はあ。寝れる気がしね〜
その後俺が睡魔に負け寝れたのは6時間も後だった事を報告しておく。
それではまた次のお話で会いましょう〜




