第110話〜トラブル〜
それではどうぞ!
「う〜ん、戻れなさそうですね……」
5分ぐらいゲームがプレイできるかどうか試してたのだが…まだ無理だ。
「これは今日は無理かな…?」
「今日はもう終わりじゃないかな…」
そうなると今日は練習出来ないってことになるんだよな。俺はともかく海男さんと海莉がな…。
「せっかく来てくれたのに申し訳ないウルフくん…」
「ね、ほんとに…」
「いやいやいや、2人は悪くないから気にしないで」
海男さんも海莉も何も悪くないからな。サーバーが落ちるなんて予想できないし。
「あ、運営の方から今日は厳しそうなので解散だそうです」
海男さんの方へ連絡があったそうでサーバーダウンしちゃったし戻る気配もないから今日は終わりで!ということらしい。
「わざわざ来てもらったのにごめんなさいほんとに」
「いえいえ〜楽しかったしためになること聞けたんで全然おっけーです。」
元々俺は代理だし、楽しかったし特に文句はない。
「じゃあ俺らも解散しましょう。お疲れ様です〜」
海男さんがそう言ったのに続いて、お疲れ様でした〜と俺と海莉が続く。
俺は配信はしてなかったからそのままアプリを閉じた。…さて、何しようかな。
今日はそこそこ時間取られるから〜ってことである程度やらなきゃ行けないことは終わらせてるんだよな。つまり暇ということで…
「優成くん〜いる?」
「居るよ〜どうぞ」
「わー!」
扉が空いたと思ったら、わ〜と言いながらこっちにダイブしてきた。危ないからそういうことをするのはやめなさい。
「ごめんね?わざわざきてくれたのに」
「悪くないんだから謝らない。次謝ったら怒る」
「申し訳なかったの。…どうだった?今日」
かなり楽しかったよ。有用な知識も得られたし、あんなに上手い人達とやることなんてないだろうからね。
「苦手だった〜とかはない?関わりにくいとか…」
「?…いや、特に無かったけど…」
「そっか、良かった。前みたいに体調を崩してたらどうしようと思って心配だったの」
ああ、そういうことか。確かにかりんさんと初コラボした時はなんでか分からんが体調を崩してたな。
何故かあの時は心が拒否反応を起こしたりしたし。…まぁ、あの時は嫌なことがあって重なっただけだろう。俺も人間な以上は体調不良って起こるものだし、偶然だろうけどな。
「……よしよし。今日はよく頑張りました!」
「いや、うん。…ありがとう」
なにか言おうと思って、やめた。心配してくれてるのはわかるし……
「やっぱりああやって大会みたいな感じで優成くんとやるの、楽しいからいつか一緒に出ようね?」
「もちろん。その時は出るよ」
約束だよ?という海莉。約束は破らないから大丈夫だよ。
「ところで優成くんはコラボしたい人とか居ないの?」
「ん〜……特には?」
海莉以外のVは名前は知ってるけど動画は見てなかったり、見ててもたまにだったりするし。
そんなにコラボしたいって思うような人はいないかな…
「そうなんだ。他に気になってるVとかいないの?」
女の子とか、と聞く海莉。…いないな。何故女の子限定なのかは知らんが男も女も特にいない。
「そっか。…一応安心、かな。」
「?何が?」
「なんでもないよ。…それより、リレー配信がもうすぐあるみたいだけど大丈夫?」
「それは大丈夫。何するかも決めてあるし、どんな感じで進めるかも決めたし。特に緊張もしてないよ」
まぁあと1週間は先の話なのだが。海莉の方こそ大丈夫なんだろうか
「私は全然大丈夫!問題なし!」
なら大丈夫か。…まぁ俺よりも慣れてるし、そりゃ大丈夫か。
「その前に先ずは優勝しないとだけどね」
「充分優勝狙えるよ、頑張って」
あと2日練習があって、その後が本番という日程のようだ。
「うん。ちゃんと私の活躍シーン見ててね!もし優勝出来たら…」
「もちろん。…出来たら?」
「何か一つ聞いてもらおうかなって。願いを」
「それぐらいなら良いよ。優勝出来たらね」
やった!絶対優勝するから!!!と意気込んで気合い満々な海莉を見ながら、別に言ってくれれば俺に出来ることはやってあげるのになぁと思った俺だった。
それではまた次のお話で会いましょう〜




