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八剣魔王伝〜奏日女護国物語〜  作者: ふくふくろう
3/13

帝に拝謁する

僚は古代ローマあたりまで行って帰ってきた。

そんなイメージです。


説明が長いですがよろしくです


「奥州岩代国安達太良村の僚、帝に拝謁賜わりありがとうございます。」

僚は御簾の向こうの日ノ本の帝である鳥羽帝に額ずきながら挨拶した。


「安達太良村の僚とやら遠路はるばる大義であった。パラスの刀ではないとはいえ短剣を授けられたのは日ノ本でそなた一人。百済にもおらぬ。大変な快挙である。」

 鳥羽帝はパラスの短剣を手に取り眺めてご満悦であった。パラス・ミネルヴァ女神を祀るポリスに日ノ本から10人の子供が派遣されたが帰って来たのは僚だけだった。当然のように百済からも派遣されたが一人も帰って来れなかった。

 海を隔てた隣国である百済には黄に近いと理由もあって常に後塵に拝している。

黄の最先端はまず百済に入りそこから日ノ本にやって来る。当然の様に百済からは後進国扱いされる。

 日ノ本には日ノ本独自の文化があり、黄国の冊封国である百済より格上であるという謎のプライドがあり百済を飛ばして黄国にコンタクトを取ろうとする。黄に近づきたいのか独自路線を行くのかさっぱりわからない。

大国である黄国からすれば百済も日ノ本も同じくらい後進国なのではあるが。

だいたい2国とも黄国の最先端を取り入れたいとしながらその最先端である科挙は取り入れる気がサラサラない。優秀なものは庶民であっても身分関係なく重用する制度は百済にも日ノ本にもいらない制度であった。


 「安達太良村の僚よこれは快挙である故に褒美を取らせる。そなたには武士の身分を授け姓を与える。今後は安達僚太郎秀忠と名乗るが良い」

 名前なんぞでは腹も膨れぬというにこんなモノを泣いて喜ぶと思っている。確かに栄誉なことではあるが栄誉とは何であろうか?


 「安達僚太郎秀忠よ、朕の娘である女三の宮がこの度生き神として下総国に参る。そなたにはこの警護に当たってもらおう。下総国には10日後に参る故にそれまで暇を授けよう。会いたいものにゆっくり会うがよい。」


 「ははっ。有難き幸せ。帝に御礼申し上げます。」


何が有難いのか?姓などいらぬからこのまま安達太良村にもどり百姓として一生を終えたいというのに、武士にされてしまった。

暇を出すから会いたい者に会えというが都から故郷へは軽く見ても2ヶ月はかかる10日で行って帰って来れるわけがない。

故郷には母と妹がいる。みんな元気だろうか?

僚はちょくちょく手紙を送ったが妹からは一度手紙が届いただけだった。それもそのはずで僚は一所に落ち着いていられなかったので届けることができなかったのだろう。

妹の手紙が届いたのは3年前、まだ僚がスパルタという剣士養成施設で修行をしていたころ。

手紙には僚がポリスに派遣されたことで都から岩代国に援助がでたこと、それによって安達太良村にも寺子屋ができ子供達は読み書きを習えたこと、だからこうやって手紙が書けること。村の皆は兄に感謝していると綴られていた。

そういえば母は読み書きが出来ない。

その手紙からも2年が経ち皆はどうしているのか?この2年は僚も手紙を書く余裕がなかったので全然書けなかった。故郷に帰れない代わりに手紙とポリスや黄国で買ったお土産を届けてもらう事にした。

次回もよろしく!

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