都へ
初、小説投稿です。
典型的なヒロイン、ヒーロー物になる予定。
日ノ本は架空世界ですので聞いたことのある地名や人名がでてきても全く関係ないのであしからずご了承下さい。
僚は長い旅路の最後の船旅を終えて祖国である日ノ本に到着した。
百済からの船が着く港から都まではさらに1ヶ月かかる。ポータルがあれば直ぐに到着できるだろうが日ノ本にはまだポータルがないので地道に移動するしかない。
日ノ本でもポータルは唐風に「転移門」と呼ばれ設置計画もあるが反対意見も根強く、まだ実行に至っていない。
「はぁ陸だ陸、ようやく地に足がつける」
そう言ったのは百済から一緒になった金秀明だ。なんでも彼は百済の貴族で、寺で神託を受け、日ノ本の姫を守護する為にやって来たと、聞いてもないのに船にいる間べらべらと色々話しかけてきた。
とにかく良く食べ、良く喋る。
寺で神託?という疑問もあれど聞き返す余裕無いほど喋り倒す。
都へ向かう馬車も同じで僚は黙って話をきいていた。貴族なのだから庶民である僚と同じ馬車ではなく貴族と同じ馬車に乗れば良いのにそうしない。曰く、これから姫を守るのに他の貴族と一緒にヌクヌクしていてはイザというときに役に立てないからだそうだ。
最もな意見だが彼が庶民の馬車に乗る事によって彼とその従者の3人分馬車に乗れなくて徒歩になった者がいる。僚は馬車に乗らなくても良かったが金の話を黙って聞くことができるのは僚だけで結果押し付けられるように同乗した。
他に同乗しているのは金家に出入りしていた日ノ本の商人だけだった。
しかも、彼は姫が何処に居るのか知らない。留学の名目で来たので勉強の合間に探すらしい。日ノ本と百済は定期的に交換留学生を募集している。
留学に人気なのは黄国で極東の未開地倭国と呼ばれる日ノ本は不人気だ。だからきっと、彼が手を上げてすぐさま実現できたのだろう。
金は東の果ての都へ姫に会いに来た。
東の果てにいくのが楽しみであると繰り返し語った。
僚が派遣された西の果てと呼ばれたポリスのさらに西にも国があったように。東の果てと呼ばれる日ノ本の都のもっと東にも土地はあり僚の故郷があり、もっと東にも、北にも国はある。
それでも世界が認識する限界がポリスであり都なのだろうなと僚はつらつら考えた。
世界は広い