序章
10年前に突如として現れた神獣「ハーピー」
それによって全世界で神獣をめぐる争い、いわゆる神獣争奪戦が開始され、各国は戦争の準備をを急がせた。
しかし、その争いは唐突に終わりを告げた。
ハーピーの現れた村にいるどこにでもいそうな男が契約をしたのだ。
その男こそ俺の父サナタエラだ。
神獣ハーピーは「神獣」であり、とてつもなく強くまた、名声も高いが、十年に一度しか来ないため十年に一度の神獣を逃すものかと各国の王達はもちろんのこと、貴族や貴族になろうと画策する何もしない平民達が、神獣を奪い再契約して国の戦力にしようと考えた。
そのためこの世界で生まれてくる人の1000人に一人が10%の確率で天界や冥土から従属を呼び契約できる「召喚契約」ができる人、いわゆる「ソウルビーラー」が王達に雇われたり、または王の軍にいる人達が命令されて幾度も攻めてきた。
しかし、ハーピーとサナタエラは全てを返り討ちにしていた。
いつしか「たとえ全世界のソウルビーラーが攻めてきても負けないコンビ」といわれるまでになっていた。
なのに、俺が生まれてくるころにはサナタエラはこの世にいなかった。
物心つく頃、俺が父がいない理由を聞くと母のテイラは俺にひどく感情的になって言った。
「わたしだって知りたいわよ!、なぜ?!あんなに強かったのに!」
テイラが出産のため都市に行っていていないときに家からいなくなっていたらしい。
突然のことだったため、いなくなった後の一年は毎日、攻めてきた兵に
「すみません、理由は知りませんがサナタエラはいなくなりました。なのでお引き取り下さい。」
と言い続けたらしい。
その後ノイローゼのようなものになりながらも、それをこらえて懸命に探した。
しかし、見つからなかったと俺に対して何度も何度も謝ってきた。
だが俺は全く気にしなかった、いなくても支障とならなかったからだ。
そう俺が高校に入るために国の中心都市レインダルトに行くまでは・・・。
あらすじに書いた通り定石にとらわれないものにしていきたいです!