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第1話「紅の巨人(8)」

 ほぼ同時刻の事である。雷島のG.U.A,R.D.極東基地の研究ルームにいたホシミヤ・アオイもライト達のチームが怪獣迎撃行う光景をモニター越しで見つめていた。

 大気圏外にある人工衛星のカメラがそれを映している。彼らの戦いは基地にてモニタリング可能だった。そして、アオイは研究班所属だ。その戦いを通して研究班は、怪獣の研究や、武器の開発等を行う。

 彼女もモニター越しで今回の戦いを見ていた。今回のグロウス一件は驚くことばかりであった。自分たちが開発したOD弾頭ミサイルが効かないのだ。ガードバードAはグロウスの黒煙でマシントラブルが発生したという報告も受けている。

 今現在は、単機でガードバードBがその黒煙を注意しながら戦っている様がモニターに映っていた。確かガードバードBにはライトが乗っていたはずだと彼女は思った。ハラハラしながらその光景を見ていた。ライトは自分に取って大切な義弟なのだから。

 そのガードバードBが巨大鼠の長い尻尾のビンタ攻撃を喰らって、右翼を破損。機体の右翼が破壊されて地上に向かって落ちていく様がモニターに映し出される。彼女の目にもその光景が入った。このままではライトが死んでしまう。

 それを見てアオイは一瞬悲鳴を出しそうになったが、それを堪えて彼女は必死に祈った。


(シンちゃん、あなたと私の弟・・・ライちゃんを助けてあげて・・・・!お願い!)


 彼女は、今はこの世にいず、天国にいるであろう夫であるホシミヤ・シンに自分達の「大切な弟」を救って欲しいと祈った。

 彼女がそう祈った直後、モニターが紅く光った。アオイは眩しさに目を背けた。彼女も何が起きたかわからなかった。

 次の瞬間、そこにはライト達が乗った機体を紅の巨人が掌でそれを受け止めている様が映っていた。アオイもビックリした。あの紅の巨人は何なのかという事よりも、まるでアオイの祈りに答えるかごとくあの紅の巨人が現れた事にも驚く。


「シン・・・ちゃん・・・・・?」


何故かその紅の巨人を見て、アオイは亡き夫の名前を呟いてしまった。




 一方、同じ頃・・・ガードバードAに乗っていたタクミとアライデは、グロウスの吐いた黒煙による発生したマシントラブルのせいで安全地帯に機体を不時着させて、機体の異常を確認していた。タクミがモニターを睨みながら怒る。


「どうなっているんだ!あの黒い煙のせいで戦闘機が飛べないとかおかしいだろ!」


 思った以上に機体の異常は深刻だった。この場で修理出来るかも分からないような状況であった。例え応急修理をして再び飛行が可能になっても、戦闘続行は不可能かもしれないとも思えた。


(早く機体を修理して、ライト達に合流しないと・・・・)


 そう考えながら、機体のチェックを行っていたタクミが、同様な作業をしているはずのアライデの手が止まっている事に気がついた。彼はある方向を注視していた。

 アライデは真面目ひと筋で、そんな仕事中によそ見するような男ではなかったはずという事は彼女も知っていた。彼は何かを見て驚いているように見える。タクミがアライデに問う。


「おい!どうした!?手が止まっているぞ」

「ふ、副隊長!あれは!?」

「あれ?な・・・・・・!?」



 彼女もアライデと同じ方向を見て、彼と同様にそっちを見て驚き絶句する。遠くからの山と山の間でもあるが、それは見えた。濃い木々があっても、それははっきりと見えた。肉眼で捉える事が可能だった。

 そこには・・・巨人。大きな紅の巨人がいた。そこは先ほど、グロウスと自分達が戦っていた場所でもあった。


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