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幕間の少女達
文化祭まで三週間――
――青春の針は、刻々と過ぎていく。
「なぁ、ウソ、なんだろ?」
少女は知っていた、それが密かな告白であることを。
「どんなにカッコつけても、アイツが書いた恋の歌なんて載ってるはずないんだ」
だが少女は知らなかった。なぜその告白が秘められたかを。
「載ってるはず無いんだよ」
§ § § § § § § §
「だから? アンタに何の関係があるんだよ」
少女は知っていた。彼女の想いを、彼の想いを。
「いつまでもウダウダと、アイツにくっついているだけのアンタに、なんでそんなこと言われないといけないの?」
そして少女は憧れていた。彼に想いを向けられる彼女に、かつて輝いていた彼女自身に。
「アイツが続けてるから、やってる程度の、今のお前に、お前の音楽に、何の価値があるんだよ?」
だからこそ少女は許せなかった。今の彼女の在り方が。




