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中国革命軍の進軍と日本軍の反撃

盧溝橋での戦闘で支那駐屯歩兵第一連隊は敗走。

北郷内閣は国民にありのままを伝えた。日本国民の中国への感情は最悪となり、官民ともに激怒した。

海軍は正規空母加賀と軽空母鳳翔、龍驤を主力とした艦隊を派遣。加賀には最新鋭の九六式艦上戦闘機が搭載されたが、その他の艦載機は急いでいたため、準主力であった八九式艦攻と九四式艦爆が搭載された。

陸軍も支那駐屯軍が集結を開始、関東軍も一部部隊が支那駐屯軍と合流を果たすべく出発した。

そして、支那駐屯軍が集結中の7月29日中国の通州において冀東防共自治政府保安隊と中国人学生が日本軍通州守備隊と通州特務機関及び日本人居留民を襲撃した。この襲撃で冀東防共自治政府保安隊は捕虜となった日本軍兵士や日本人を虐殺。

支那駐屯歩兵第二連隊は同地域へ急行した。

支那駐屯歩兵第二連隊長の証言によれば、「飲食店の旭軒では40から17~8歳までの女7、8名が強姦後、裸体で陰部を露出したまま射殺され、うち4、5名は陰部を銃剣で刺されていた。」と証言。

他の将兵たちも似たような状態で死亡している邦人を発見した。

奇跡的に生存していた邦人は速やかに陸軍に保護された。

この事件は通州事件として世界中に報道され、特にドイツは、通州事件後、中華民国からドイツ軍事顧問団を引き揚げさせた。

事件を引き起こした冀東防共自治政府保安隊と中国人学生は第二連隊が到着する前に中国革命軍と合流。

支那駐屯軍は集結地点を通州に変更。同地域で中国軍と、にらみ合う形になった。

日本軍は翌日に報復として天津を爆撃。

8月に入ると、13日には中国軍は上海の日本人居住区を包囲。

これに対して、日本軍は長谷川清海軍中将指揮下の第三艦隊と雪蓮少将指揮下の上海海軍特別陸戦隊など4、000名あまりが防衛することとなった。

「この数ではとても、中国軍を防ぐことは無理ではないか!?」

長谷川清中将は雪蓮にそう言う。

「確かにね。でも、耐えることはできるわ。その間に増援が来るといいのだけれど。」

長谷川清海軍中将は陸軍の派兵を要請する電報を打った。

同日夜に、東京から「既に、動員が完了しているため、3日ほど耐えよ。」と言う電報が送られてきた。

中国軍約20万は13日午後9時頃から攻撃を開始した。

「中国軍、攻撃開始です。」

「いよいよね。こちらも応戦しなさい。我らが負ければ、罪のない民間人に被害が及ぶ、なんとしても食い止めるわよ!!!」

「「「応!!!!」」」

海軍陸戦隊は日本人志願兵などを居住区からかき集めたが、陸戦隊は多く見積もっても5千名余りだった。

14日には中国軍の上海に爆撃が行われた。

「爆撃機だ!!!」

「急いで隠れろ!!!」

「に・逃げるんだ!!!」

この爆撃によって周辺のフランス租界・国際共同租界に投下された爆弾はパレス・ホテルとキャセイ・ホテル前の路上に着弾し、729人が即死し、861人が負傷した。

「ここなら、安全かしらね。」

「父上とはぐれてしまいましたね。」

そんな会話も中国軍の爆弾が切り裂いた。

31分後には婦女子の避難所となっていた大世界娯楽センターに爆弾が落ち1,012人が死亡し、1,002人が負傷した。中国軍の爆撃で民間人3000人以上の死傷者が出た。

同日、日本海軍は台湾より爆撃機を飛ばし、杭州や広徳を爆撃した。

九州からも爆撃機を飛ばす予定だったが、天候が悪かったため、中止となった。

「中国軍は砲を持っていないわ、練度はこちらが上。一気に中国軍を押し返すわよ!!!!」

雪蓮は自身も前線で陸軍から供与された三八式歩兵銃を撃ちながら兵士を激励している。司令官自身が前線で戦うと言う近代戦では前代未聞の戦い方ではあったが兵士の士気はかなり高かった。

この戦いの内容は世界中に報道され、雪蓮の名は世界でも知られるところとなった。

中国軍は砲を保有していなかったため、海軍陸戦隊の反撃を招いた。

15日には3隻の空母から中国軍攻撃のために発艦した艦載機は中国軍のカーチス・ホークIIIと交戦。航空母艦加賀の艦上攻撃機8機と艦上爆撃機2機が撃墜された。この時、加賀に搭載していた九六式艦上戦闘機はエンジンの調子が悪かったため、発艦させていなかった。そのため、攻撃部隊の護衛は軽空母鳳翔と龍驤に搭載されていた九〇式艦上戦闘機と九五式艦上戦闘機だけで、この2種類の機体ではカーチス・ホークIIIに歯が立たなかった。

18日には中国軍は重火器の欠乏から攻撃を停止した。

「中国軍が攻撃を停止しました。」

「何かの策かしら?」

「ただ単に兵器の不足か、補給ができていないのでは?あと、可能性としてはこちらに援軍が来たため、攻撃を中断した可能性もや列強各国が停戦に乗り出したのでは?」

「じゃあ、警戒していて損はないわね。」

「そうですね。」

同日、イギリス政府は日中両国に対して、「日中両軍が撤退し、国際租界とその延長上の街路に居住する日本人の保護を外国当局に委ねる事に同意するならば、英政府は他の列強諸国が協力するという条件の下で責任を負う用意がある」と通告した。フランス政府やアメリカ政府もこれを支持したが、北郷内閣はこれを拒否した。

平和を保つためには、戦いも必要だからだ。

19日から、再び中国軍は激しい攻撃を開始した。この中国軍部隊はドイツ軍の装備をしており、中国軍の中でも精鋭部隊だ。

「前よりも強くなってない?」

「確かに。」

「奴らは、ドイツ軍の装備を使用しているらしい。」

「と言うことは精鋭部隊だな?」

「ドイツ軍の装備って強いの?」

「この状況を見ればわかると思うのですが?」

海軍陸戦隊はなかなか反撃できていなかった。

「確かにね。でも、多少の技術差ぐらいなら練度で押し返せるわよ!!!」

「ですな。」

「押し返してやろうぜ!!!」

海軍陸戦隊の士気は10倍以上の兵力を相手にしながらも士気は高く、大損害を被りながら日本人居住区を死守した。

「中国軍の奴ら、退却していくようです。」

「見たか、俺達の力を!!!」

「皆の者、我らは、10倍以上の中国軍を追い返せた。これより、陸軍の増援を待って反撃に出るぞ!!!!」

海軍陸戦隊は雪蓮のおかげで大損害を被っても士気は高かった。

21日には中華民国はソ連と不可侵条約を結んだ。ソ連は直ちに航空機と操縦手、教官を中国に送り込んだ。

22日には九六式艦上戦闘機のエンジンの調子が良くなり、増援の九六式艦上戦闘機隊が到着。中国軍のカーチス・ホークIIIと互角に戦えるようになり、中国空軍と激戦を展開し始めた。


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