2 ラプンツェル
私の記憶の中の童話「ラプンツェル」のあらすじです。
記憶を元にしていますので、微妙に違う点があると思います。
原作を知っている方は、次のお話へ進んでくださって大丈夫です。
古ぼけた絵本が、細く長い指でページをめくられていく。
綺麗な手は、それでも大きく逞しく感じられる。
ゆっくりとした口調で、低く優しい声が読み進めていくのを聞く・・・
「昔々、貧しい夫婦がいました。体調を崩した妻にせがまれた夫は、隣に住む魔女の庭からわずかのラプンツェルを採ってしまいます。魔女はそれを知りひどく怒りましたが、その野菜の代わりに、この後最初に生まれたものをもらうとの約束で許してくれました。夫は猫か犬だろうと思っていたのですが、生まれたのは自分の子供でした。
魔女は約束どおり、その子をもらい、塔の中で育てます。塔には入り口も階段もありませんでした。ただ一つ、窓があるだけです。魔女はそこから、ラプンツェルと名付けた娘の髪を伝って出入りしていました。塔はとても高く、彼女の髪を伝うしか中に入ることはできません。
何年か経って、一人の王子が塔までやってきました。ラプンツェルを助けようとしますが、魔女はそれに気付き、ラプンツェルの長い髪を切って追い出してしまいます。王子は愛する娘を失い、悲しみのあまり塔から落ち、その目は光を失います。
その後、二人は長い間の苦労を経て、幸せになるのです。そう、魔女の手から逃れて、幸せに・・・・」