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No,13  舞台は山の中

 それからグレイ達は、ロバートのいる山の中へ行った。

 先に行って待っていた黒装束の男達はグレイを見るなり、

「お疲れ様でした! グレイ様!」

「No,0117の包囲はすでに完了いたしております!」

などと、口々に言う。

 そんな黒装束の男達を見てグレイは、一人一人睨み付けながらきっぱりと言い切る。

「うるさいです。そんなにさわいでいると、ターゲットに見つかる可能性が高くなりますよ」

 黒装束の男達は一気に静まり返り、顔を緊張させる。

「・・・と言っても今回のターゲットはNo,0117ですから、とっくにバレているでしょう」

 グレイがポツリと言うと、黒装束の男達はそれぞれ顔を見合わせる。

「だらけないで下さい!! No,0117は、ルーディーさん達とは違うんですよ!?ターゲットに殺されたくなかったら、まず銃の準備でもして下さい!!」

 グレイが急に怒鳴ると、黒装束の男達は一気に動き出す。

 グレイに言われた通り銃の準備をする者や、リュックの中をガサガサとあさる者、そして、何かを諦めたように、両手を合わせて祈る者もいた。

 その傍らで、グレイは小さくため息を吐く。

(久しぶりの再会が、まさかこんな形とは・・・・・・)

「・・・ロバート・・・・・・」




「ハンドガン200発じゃ足りない・・・? じ、じゃあどうするの!?」

 ロバートは少し考えて答える。

「とりあえず、今日は俺1人で頑張ってみるから、シェリーはしっかり俺の指示を聞いて動いてね」

 そう言うとロバートは、床から不自然に出ている取っ手を強く引っ張る。

『ギッギギギィィィ――――――・・・バンッ』

 ロバートが取っ手を引っ張ると、蓋のようなモノが持ち上がり、横に倒される。

 シェリーが恐る恐る中を覗くと、唖然とする。

「なっ・・・・・・!? 何よコレ・・・・・・!? 何よ、ココは・・・・・・!? ・・・すごい!!」

 ロバートはニッと笑い、ソコの説明をする。

「見た通り、武器倉庫。大体のモノは揃ってると思うよ。好きなのとか欲しいものがあったら勝手に使っていいし、っていうかもらってもいい。旅に出るのに、全部は持っていけないしね」

 中にはロバートが言った通り、銃や手榴弾、ナイフなど、様々な武器が揃えられていた。

 シェリーは無言で中に飛び降り、中を物色し始める。一つ手にとっては置き、また一つ手にとっては置き、の繰り返しだ。

「どうしたの? 急がないと、敵さん来ちゃうよぉ〜?」

「うっキャア!」

 ロバートが武器倉庫の入り口から、逆さまにぶら下がっている。

 男にしては少し長めの黒髪や、羽織っている薄汚れた茶色いコートも逆さまに垂れている。

「あはは! いい反応♪ やっぱこうでないとねー♪」

「いっ、いちいち驚かさないでよ!!」

 シェリーはロバートに可愛く怒鳴るが、ロバートは軽くあしらう。

「んで、何探してるの?」

「・・・マシンガン系のヤツ」

 シェリーは不満そうに言う。

「あ、ならあっちの壁に掛けてあるヤツでいい?」

 ロバートはトンッと静かに着地する。

 そして指差した先には、普通のマシンガンよりは少し大きい、サブマシンガンが掛けられてあった。

「あっ、うん! あれだ!」

 シェリーはソコにタタタッと走っていき、ゆっくりとその銃を取る。

「それはサブマシンガン。普通のマシンガンより大きい分、威力も大きいよ。マガジン(弾倉)には、1つに30発まで入る。弾はそこの棚に置いてあるから」

 ロバートは自分も何か探しながら説明する。

 シェリーはロバートが行った通り近くの棚を探すと、弾と一緒に、マガジンが3つ、見つかった。

「準備できた? そろそろ本当に攻撃されるかもよ?」

 ロバートは自分の準備が終わったらしい。

 入り口から今度は顔だけ出してシェリーを呼ぶ。

「・・・私が言うのもアレだけど、もうすぐ銃撃戦かもしんないのに、いつもと変わんないね――・・・」

 ロバートは少し考える。

「ん――・・・・・・。相手は俺のこと知ってて襲うんだ。そんな簡単に攻撃はしないと思うよ」

「・・・そこんとこ、ショーのネタと一緒に、後で教えてね?」

「生きてたらね」

「・・・・・・そうね」

 シェリーは軽く苦笑いする。

「あとシェリー」

「ん?」

「今で旅支度整えておいて。終わったらすぐにジープで逃げるから」

「OK! 取り合えず、私の準備とかあるからちょっと遅くなるけど、すぐに行くね!」

「じゃあ、出る準備終わったらすぐにでも来てね」

「ん! 了解!」

 シェリーは指先をピシッと伸ばし、肘を直角に曲げ、ニッと笑う。

「武器も食料もたくさんね。銃の弾も忘れずに。燃料は重いしちょっとジャマになるから、途中で集める」

 ロバートは淡々と言うと、すぐに顔を引っ込めてどこかへ歩いていった。

 シェリーはそれを見届けると、また何かをゴソゴソと探し始める。

 しばらくそれを続けていると、急にピタリと動きが止まる。

「あ・・・、あったぁ〜〜〜・・・・・・!」

 その手にあったのは、もともとシェリーが持っていたハンドガンより、一回りほど大きいハンドガンが握られていた。

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