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屋上

作者: 月子

1年生が一階、2年生が二階、3年生が3階と私の高校は学年毎で教室が分かれている。


入学式。

校長先生の長い話に眠くなっていた。

うとうとした目を必死で起こして、話を聞いていた。司会役の教頭先生が「生徒代表の祝辞を2年A組生徒会長佐々木祐介」と呼ばれて壇上に上がった先輩に私は目を奪われた。


いかにも生徒会長といった雰囲気の人だった。フレームの細い眼鏡をクイッとあげて、真面目そうな形式ばった祝辞を読み上げて少し微笑んでくれた。とくに目を引いたのは手だった。すらっと伸びた指は細くそして少しゴツゴツしていた。手だけを見ると中性的だった。そのキレイな手で私に触れて欲しいと考えている自分にハッとして、急に恥ずかしくなった。


うちの高校は旧校舎と新校舎が繋がっている。

旧校舎を取り壊す予定になっていたが、サークルや同好会などが正規の部室棟で、部室が貰えなかった人達が部室として使用しているため、反対意見が多くあり、新たな部室棟が出来るまで旧校舎は取り壊しは延期になっている。


ずっと旧校舎に行ってみたいと思っていた。噂によると旧校舎の屋上は鍵が壊れていて、入れるとか。漫画とかでよく見る屋上でのお昼寝が出来るのでは?と密かに期待している。


屋上に行くための階段をウキウキしながら登っていると、前に人影が見えた。げっ先約かなーと思っていたら生徒会長だった。まさか生徒会長も屋上?と思いつつ、後をつけるとやっぱり屋上に向かっていた。

そーっと屋上の扉をあけると生徒会長が昼寝をしていた。

そーっとバレないように生徒会長に近づき、顔を覗きこんだ。

眼鏡で気付かなかったが、まつげが長かった。すごく整った顔に見とれていた。


すると生徒会長がパチっと目を覚ました。

「寝込み襲う気?」

と色気たっぷりに言った。

「ち、違います!」

「そ、残念」

くすっと年齢にはそぐわない大人びた表情で言った。

「1年生かな?どうしたの?」

生徒会長ついてきたなんて、言えないし、どうしよう…。

「お、屋上でお昼寝するのに憧れていて、その…」

我ながら苦しい言い訳を。

「俺も憧れてた。屋上でお昼寝気持ちいいよ。寝込み襲わないなら君もここでお昼寝していいよ」

「あ、ありがとうございます!!」


家に帰ってベッドに倒れ込み今日のことを噛み締めた。まさか憧れの生徒会長と接点がもてるとは思っていなくて私は幸せで胸がいっぱいになった。


次の日から足しげく通った。流行りのお菓子を持っていってお菓子パーティーをしたり、宿題を見てもらったり、生徒会の話を聞いたり、お昼寝したり、たまに2人で一緒に帰ったり、それだけで幸せだと思っていた。


欲は1度芽生えてしまうと止まらなくなる。もっと一緒にいたい、キスしたい…。

そんな欲望がぐるぐると心を掻き乱していった。


思いを伝えて、今のように過ごせなくなったらどうしよう、そんなことが怖くて、未だに恋人がいるか聞けていない。


もうすぐ夏休み。しばらく生徒会長に会えなくなる。夏休みも一緒に過ごせたら、なんて考えていた。


終業式。約束はしてなかったけど、屋上に行ってみた。最後に会いたかったから。

屋上に行くと昼寝をしていた。キレイな寝顔に吸い込まれるようにキスをした。


「寝込み襲わないって言ってたのに」

含みのある笑で言われて、私は何も言えずに俯いてしまった。

「理由言わなきゃキスするよ?」

と顎を掴まれてじっと見つめられた。

「す、好きだからです…」

いきなりそのまま口を塞がれた。

「夏休みどこに行くか考えよっか?」

「はい!」






「ねぇ知ってる?」

「え?何?」

「旧校舎の屋上で告白すると成功するんだって!」

「何それ?超素敵じゃん!」

「何でも昔生徒会長に告白して上手くいった生徒がいて…」





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