Actor
レビュー執筆日:2022/7/13
●様々な雰囲気の楽曲を分かりやすく聴かせる、良い意味での「売れ線バンド」。
【収録曲】
1.Actor
2.キャラクター
3.merry-go-round
4.これからのこと、それからのこと
5.安心してね
6.LITMUS
7.ずっとずっとずっと
8.揺れる
9.たとえたとえ
10.アラモードにワルツ
11.結証
12.S.T.U.D
13.Landscape
14.スクリーンと横顔
4人組バンド、緑黄色社会のアルバム。全体的に見ると、ハイテンポなギターロックやファンキーなリズムを聴かせる楽曲、スローテンポなバラード等といった様々な雰囲気の楽曲に伸びやかなボーカルを乗せるといった感じで、ストリングスやホーン、打ち込み等で音数を増やした楽曲も少なくなく、「最近の売れ線」を分かりやすく地で行っている印象を受けました。雰囲気で言うと、Official髭男dismやMrs. GREEN APPLEに近い感じでしょうか。
とはいえ、「誰だってneed you だってneed you だってneed youだ」(キャラクター)や「これからのこと、それからのこと あなたとのこと、あなたとのこと」(これからのこと、それからのこと)「僕の盲点は君の焦点だ」(Landscape)のように随所にしっかりと耳に残るフレーズを作り出せており、変に無理することなく「売れ線」というものを上手く乗りこなせている印象があります。特に良い意味で「おっ」と感じさせられたのは、『LITMUS』という曲。サビに入ったと思ったら「おのれ」というインパクトのあるフレーズを皮切りにさらに別の展開に入っていくという構成にはなかなか興味深いものを感じられました。
まあ、このアルバムを聴く限りではバンドとしての「個性」はまだそこまで強く出てはいないように思えますが、先程挙げたような点をさらに突き詰めていけばもっと面白くなっていきそうな感じがします。その期待を込めて、この評価とさせていただきます。
評価:★★★★