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島に転生しました・・・

作者: デンヒロ

 島に転生しました。

 何を言っているか解らないと思いますが、これは事実なのです。


 最初は畳一畳分の岩盤からスタートした。

 どうやらポイントを貯めて使用すれば陸地が広がるようだ。


 ポイントは1日経過するごとに10ポイント貰えるらしい。

 1ポイント消費することで1フィート増えるとのこと。

 ところで1フィートって何センチですかね?


 ポイントの使い道は他にもある。

 例えば草や花や木を生やしたり砂浜や山を生み出したりできるようだ。

 後は食べ物や衣類なんかと交換できたり使い魔を召喚することも可能らしい。

 ただし流石に住民は召喚できない模様。


 ポイントは使い魔以外の生物が島に住み着けば貯めることができる。

 また、島の敷地内でポイントで生み出した物以外が死んだ場合も貯めることが可能。

 つまり、ポイントを稼ぐには島に人や生物を招き入れる必要があると言うことのようだ。


 まずはやはり陸地の拡大だ。

 1ヶ月はすべてのポイントを陸地を増やすことにつぎ込んだ。

 その後、草や花や木を少しずつ生やす。

 ずっと岩盤のままでは生物が棲むなんてできないからな。


 それから1年が経過。

 少し余裕ができて来たので使い魔に渡り鳥を数匹召喚してこの世界の情報収集を行う。

 使い魔が見たり聞いたりしたものはすべてが自分に流れてくるそうだ。


 で、やっぱりだがここは異世界だった。

 それも剣と魔法のファンタジー世界である。

 あ、一匹ドラゴンに遭遇して食われてしまった。

 ご愁傷様……そしてありがとう。


 島だからと言って油断はできない。

 強大な力を持つ何者かに島ごと消される可能性もあり得るだろう。

 なので島の守り手が必要だ。

 海にリヴァイアサン……

 陸にフェンリル……

 空にガルーダ……

 これで安心だ。


 あれから更に数百年が経過した。

 どこからどう見ても立派な島だ。

 自然豊かな島である。

 だけど……だけど未だに無人島。

 その理由はフェンリルたちを召喚したことである。

 どうやら伝説の魔獣が三匹も根城にしていることが周辺国に広まり、あそこには手を出すなと危険視されているらしい。

 魔王ですらそうだと言う話だ。

 やり過ぎた……本当にやり過ぎた。

 後悔してももう遅い。

 このまま一生無人島でいることを覚悟した。


 ある日、島の砂浜に10人の子供が打ち上げられていた。

 全員種族はバラバラ。

 猫耳に犬耳にウサギ耳……それから耳が尖っているのはエルフかな?

 みんな首輪や足枷をしているから奴隷なのだろう。

 そして、全員が既に息絶えている。


 奴隷商人の船がなんらかの理由にて沈没。

 乗っていた奴隷がこの島に流れてきたのだろう。


 なんにせよ、可哀相だ。

 そして、このまま死なせておくのは非常に勿体ない。

 

 ポイント消費。

 100年間貯めたすべてを注ぎ込み……発動!


 死を否定し変更する(リバイブ・リバイス)


 絶対に生き返る魔法を発動。

 子供たちは全員生き返った。


===


 それから十数年後。

 ポイントを消費して自身の分体を作成。

 現在は自分が生き返らせた元子供たちと共に暮らしている。


「精霊様、この島を襲おうとしていた黒竜を退治しました」


「ご苦労様」


 目の前にいる美少女エルフに礼を言う。

 ポイントで彼女たち10人に強力なスキルを与えた。

 外でも十分やっていけるようにしたが、彼女たちはここを出ることはしないらしい。

 なんでも「命を救ってくれたので一生の忠誠を誓う」そうだ。

 まあ、こちらとしてもこのまま彼女たちが残ってくれるのはありがたいことだ。

 ちなみに、自分のことがこの島の精霊と言うことにしている。


 住人10名。

 恐らく数十年は変わらないと思う。

 だが、これはこれでいいと考えている。


 いつかまたこの島が無人島になる時が来るだろう

 その時までこの10人と楽しく暮らしていけるように……今日も自分(しま)は成長する。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちょうど島に転生したお話を読みたかったので見つかって良かったです。 こういう少し変わったものはワクワクします。 [一言] 短編なので仕方ないですが、もっと腰を据えてゆっくりと発展していく島…
[良い点] とてもシンプルで読みやすいです。ふわっとした雰囲気の中にほんのりシリアスを混ぜてあるので読んでいてとても楽しかったです。 [気になる点] 短いお話なので全体的に物語が薄いなと思いました […
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