表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
継母の嫌がらせで冷酷な辺境伯の元に嫁がされましたが、噂と違って優しい彼から溺愛されています。  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/73

52.薄い関係性

「……そういえば、ラムフェグの再来を知らせてくれたのは、クーリアだったな?」

「え? ええ、そうですよ。当然といえば、当然なのかもしれませんが、フレイグ様はクーリアのことも知っているんですよね?」

「ああ、もちろんだ」


 私の言葉に、フレイグ様はゆっくりと頷いた。

 よく考えてみれば、クーリアとフレイグ様の関係性は謎である。

 ラフードの同胞というくらいだから、何かしらの関係性はあるのだろうが、一体どういうものなのだろうか。


「フレイグ様は、クーリアとはどのような関係なんですか?」

「どのような関係か……そう聞かれると返答に困るな」

「困る?」

「俺とクーリアには、直接的な関係がある訳ではない。俺は彼女のことをラフードの同胞と思っているし、向こうも大方そんな認識をしているだろう」

『そうですね……フレイグのことは色々と聞いていますが、端的に言い表すとしたら、ラフードの友達という表現が正しいでしょうか』


 どうやら、二人はあまり関係性があるという訳ではないようだ。

 兄弟の妹か姉、兄か弟の友達、お互いにそのような認識であるらしい。


「要するに、二人はラフードを介して繋がっているということでしょうか?」

「ああ、そういうことになるな……」

『その認識で、間違っていないと思います』


 私の言葉に、フレイグ様とクーリアはゆっくりと頷いた。

 関係性はないというが、こういう所は息が合っている。二人とも冷静な性格なので、そういう所は馬が合うのだろうか。


「ただ、クーリアに関して、俺は頼りになる魔族だと思っている。冷静沈着な奴だからな……」

『私も、フレイグのことは頼りになると思っていますよ』


 薄い関係性ながらも、二人は互いを尊敬できる存在だと思っているようだ。つまり、いい関係を築けているということなのだろう。


「どうやら、お二人はお互いに同じことを思っているようですね」

「クーリアがそう言っていたのか?」

「ええ、実はそうなんです」


 フレイグ様の言葉に、私はゆっくりと頷いた。

 それに対して、彼は笑っている。少なからず、嬉しい気持ちがあるということだろう。


『こうやって、こちら側のことを知らせてもらえるというのは、なんだか嬉しいですね……』

『ああ、それは確かにそうだな……』


 クーリアとラフードは、そのような会話を交わしていた。

 やはり、こちら側の人間と会話できるということは、二人にとっても嬉しいことであるようだ。

 同胞がいるとはいえ、精霊という状態にはある程度の孤独感があるものなのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ